研究課題/領域番号 |
08270228
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
菊池 章 広島大学, 医学部, 教授 (10204827)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1996年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 神経可塑性 / Ral / GSK / Cキナーゼ / 細胞内シグナル伝達経路 |
研究概要 |
神経可塑性における低分子量G蛋白質Ralと蛋白質リン酸化酵素GSKの役割を明らかにするために、RalとGSKの活性制御機構を解析して、以下の点を明らかにした。RalGDSはRalの活性化蛋白質であるが、私共はRalGDSがRasの標的蛋白質であることをすでに見い出している。そこで、Rasの活性化によって引き起こされるRalGDSの細胞内局在の変化を解析した。RalGDSはCOS細胞内では細胞質画分に存在しており、膜画分には認められなかった。しかし、RalGDSをRasと共に発現させるとその半分が膜画分に認められた。これらの結果は細胞膜に存在するRasがRalGDSを細胞質から細胞膜ヘトランスロケ-トさせることを示している。Ralの翻訳後修飾はRalGDSのRalに対するGDP/GTP交換反応促進活性を増強した。Rasの標的蛋白質結合部位の変異体を用いて、RalGDSを介するシグナル伝達系がRafとは異なることが明らかになった。さらに、RalGDSはRafと相乗的に作用してc-fos遺伝子の発現を促進した。一方GSKはp90rskによりセリンがリン酸化されると不活性化されることがこれまでに知られていた。細胞をinsulinやEGFで刺激すると、GSKのチロシン脱リン酸化が引き起こされた。この際、セリンのリン酸化が起こらないような変異体でもチロシン脱リン酸化が認められた。したがって、細胞外シグナルによるGSKの活性制御にチロシン脱リン酸化が関与していることが明らかになった。さらに、このチロシン脱リン酸化にはCキナーゼが関与している伝達系と関与していない伝達系が存在することが明らかになった。以上、本年度の研究は予定通り進行し、RalとGSKの活性制御機構が明らかとなったと判断しているが、今後はこれらのシグナル伝達系の神経の可塑性における役割を解明したい。
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