研究課題/領域番号 |
08270232
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
饗場 篤 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (20271116)
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研究分担者 |
中村 健司 東京大学, 医科学研究所, 助手 (90253533)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 代謝型グルタミン酸受容体 / mGluR1 / Gタンパク質 / G11α / プルキンエ細胞 / トランスジェニックマウス / 運動失調 / 長期抑圧 |
研究概要 |
平成8年度には、プルキンエ細胞特異的に遺伝子を発現するL7プロモーターを用いたmGluR1トランスジェニックマウスをmGluR1遺伝子欠損マウスと交配し、内在性のmGluR1遺伝子が欠損したmGluR1トランスジェニックマウスの作製を行った。その結果、抗mGluR1抗体を用いた免疫染色によりmGluR1を小脳プルキンエ細胞のみで発現することを確認したマウスを得ることができた。このマウスではmGluR1遺伝子欠損マウスで見られた企図振戦が見られず協調運動が復活し、見かけ上は野生型と区別がつかなかった。この結果から、mGluR1遺伝子欠損マウスで見られた協調運動の欠損はプルキンエ細胞のmGluR1の欠失のみによるものであることが示唆された。現在,mGluR1欠損マウスで欠失していた長期抑圧や登上線維-プルキンエ細胞シナプスの異常等がこのトランスジェニックマウスで復帰したかどうかを検討中であり、これらの実験結果から小脳長期抑圧と協調運動との関係が明らかになると考えられる。今後はこのマウスを用い、瞬目反射等長期抑圧を必要とすると考えられている運動学習実験を行いたい。また、プルキンエ細胞で活性化型G11α遺伝子を発現するトランスジェニックマウスは運動失調を示したが、その小脳ではプルキンエ細胞が殆ど見られず、小脳全体の大きさも野生型に比べ小さかった。現在、生後の小脳の発生段階で活性化型G11α遺伝子の発現とこのプルキンエ細胞の脱落、および小脳の構造の変化の関係を検討中である。
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