研究課題/領域番号 |
08270246
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
服部 成介 国立精神・神経センター, 神経研究所・診断研究部, 室長 (50143508)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | Ras / MAPキナーゼ / LTP / LTD |
研究概要 |
神経栄養因子により、シナプス機能が強化されることが神経・筋細胞シナプスおよび海馬スライスを用いた実験により示されている。そこで本研究においては神経栄養因子の作用により活性化されることが示されているRasおよびMAPキナーゼカスケードを遮断した際に、どのような効果が見られるか検討した。方法としてドミナントネガティブRasおよびMAPキナーゼの特異的不活化ホスファターゼであるCL100を発現するアデノウィルスベクターを用い、これを脳内に注入することにより目的とする神経細胞に感染させ、その効果を見ることとした。βガラクトシダーゼを発現するウィルスを海馬CA1領域に注入したところ、βガラクトシダーゼの発現が感染後24時間以内に見られ、その発現が少なくとも1カ月持続することを確認した。現在海馬スライスを用いた長期増強の測定計をセットアップして目的とするアデノウィルス感染の効果を判定している。 これと並行して、小脳プルキンエ細胞内のMAPキナーゼカスケードの機能を明らかにする目的で、プルキンエ細胞特異的な転写開始プロモーターであるL7プロモーターにCL100遺伝子を連結し、さらにその下流に遺伝子発現のモニターとしてIRES(内部リボソーム結合部位)を介してβガラクトシダーゼ遺伝子を連結したプラスミドを構築し、マウス受精卵に導入した。62匹中2匹に目的とするプラスミドの導入が見られたことを確認したので、現在小脳におけるCL100遺伝子発現を確認している。遺伝子発現を確認した後、当該マウスよりプルキンエ細胞を単離して電気生理学的な解析、またマウスの行動異常の有無等について検討を加える予定である。
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