研究課題/領域番号 |
08271203
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
藤澤 仁 旭川医科大学, 医学部, 教授 (10027039)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | カルシウムイオン / カルモデュリン / 脳 / 蛋白質燐酸化酵素 / シグナル伝達 / プロテインキナーゼキナーゼ / 酵素活性の調節 / 核 |
研究概要 |
1.CaMキナーゼキナーゼβの研究 カルシウム/カルモデュリン依存性蛋白質燐酸化酵素IV(CaMキナーゼIV)は中枢神経系細胞の核に特異的に分布する多機能性蛋白質燐酸化酵素で、カルシウムシグナルに応答して中枢神経細胞の遺伝子の発現を制御する重要な酵素であると考えられる。我々はCaMキナーゼIVを燐酸化して著明に活性化する上流のカルシウム/カルモデュリン依存性蛋白質燐酸化酵素(CaMキナーゼキナーゼ)を脳に見い出し研究を進めたが、CaMキナーゼキナーゼはCaMキナーゼIVと同様に神経細胞の核に分布してはいるもののCaMキナーゼIVが最も多く存在する小脳の顆粒細胞層には殆ど存在しないことが明らかになり、CaMキナーゼキナーゼの特異抗体を用いて免疫滴定を行ったところ、小脳や大脳皮質などに我々がクローン化したCaMキナーゼキナーゼ(α)とは別のCaMキナーゼキナーゼのアイソフォーム(β)が存在することが明らかになった。そこでCaMキナーゼキナーゼβをラットの小脳から精製しその性質を研究した。 2.CaMキナーゼIVの活性制御機構の研究 CaMキナーゼIVはカルシウム/カルモデュリン存在下でも殆ど活性がなくCaMキナーゼキナーゼによって燐酸化されてはじめて著明に活性化される。大腸菌に発現したCaMキナーゼキナーゼαを用いてCaMキナーゼIVの活性化の機構を調べ、CaMキナーゼIVはN末端から196番目のスレオニン(スレオニン-196)をCaMキナーゼキナーゼによって燐酸化されて活性化されることを明らかにした。またCaMキナーゼキナーゼαは多数の燐酸化サイトをもつCaMキナーゼIVのスレオニン-196しか燐酸化しない基質特異性の高い酵素であることも明らかにした。活性化されたCaMキナーゼIVは、その後カルシウムイオン濃度が低下するとセリン-332を自分で自己燐酸化して活性を失うことを明らかにした。
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