研究課題/領域番号 |
08271208
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
小澤 瀞司 群馬大学, 医学部, 教授 (40049044)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 内向き整流 / カルシウムイオン透過性 / グルタミン酸レセプター / II型AMPAレセプター / 合成女郎蜘蛛毒 / I-ナフチルアセチルスペルミン / 膜電位依存性 / 海馬介在ニューロン |
研究概要 |
本研究の目的は、筆者らがラット培養海馬ニューロンおよび海馬切片中の介在ニューロンで見い出した内向き整流特性と高いカルシウムイオン(Ca^<2+>)透過性を示すAMPA型グルタミン酸レセプター(以下II型AMPAレセプターと略称)の機能的意義を明らかにすることである。このためには、II型AMPAレセプターに特異的に作用する薬物の探索が重要である。そこで、ラット培養海馬ニューロンのII型AMPAレセプターに対するポリアミン誘導体の特異的阻害作用について詳細に調べ、以下の結果を得た。 1)II型AMPAレセプターに対する合成女郎蜘蛛毒(JSTX-3)の作用 JSTX-3は、外向き整流特性を示し、Ca^<2+>透過性をもたないI型AMPAレセプターには作用を示さず、II型AMPAレセプターのみを選択的に阻害した。阻害は使用依存性かつ膜電位依存性であり、-60mVで、IC_<50>は56nM、Hill係数は1.08であった。JSTX-3の阻害作用の膜電位依存性はきわめて顕著であり、1μMのJSTX-3はII型AMPAレセプター反応を-80mVではほぼ完全に抑制したが、+40mVでは抑制効果は全く見られなかった。この阻害作用の膜電位依存性を定量的に解析することにより、JSTX-3の結合部位は、II型AMPAレセプターチャネルの細胞内開口部の近傍にあることが推定された。 2)1-ナフチルアセチルスペルミン(NASPM)の作用 合成アシルポリアミンのうち、NASPM(C_<22>H_<34>N_4O=370.5)はJSTX-3(C_<27>H_<47>N_7O_6=565.7)より単純な分子構造にもかかわらず、甲殻類のグルタミン酸性シナプス伝達を抑制することが知られている。NASPMのII型AMPAレセプターに対する作用は基本的にはJSTX-3と同様であり、II型AMPAレセプターを膜電位依存性に選択的に阻害した。
|