研究課題/領域番号 |
08271237
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
多賀谷 光男 東京薬科大学, 生命科学部, 助教授 (30179569)
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研究分担者 |
宍戸 佳津子 (谷 佳津子) 東京薬科大学, 生命科学部, 講師 (40266896)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1996年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 開口分泌 / 神経伝達 / 膜融合 |
研究概要 |
NSF・SNAP・SNARE複合体(20S複合体)はシナプス小胞と細胞膜の融合を促進するが、膜融合がどのような機構で起こるのかはまだよくわかっていない。Rothmanらのデモルでは、まずt-SNARE(syntaxin 1とSNAP-25)とv-SNARE(VAMP-2)が結合して小胞と細胞膜がドッキングし、次にこの複合体にサイトゾル由来のNSFとSNAPが結合する。そして、NSFによるATPの加水分解と共役して複合体が解離し、同時に膜融合が引き起こされるというものである。 我々は、副腎髄質のクロマフィン細胞においてはsyntaxin 1とSNAP-25が細胞膜のみならず分泌小胞であるクロマフィン顆粒にも存在していることを見い出した。この発見は、局在性の異なるSNAREのドッキングによって小胞と膜との結合の特異性がもたらされているというSNARE仮説に根本的な疑問をいだかせる結果である。また、RothmanらのモデルではNSFとSNAPはサイトゾルから供給されることになっているが、我々はNSFが小胞にも存在し、それらのNSFはMg^<2+>-ATPが存在していても膜より遊離しない(すなわち複合体は分解しない)ことを見い出した。以上の結果から我々は以下の仮説を提唱した。NSFはSNARE以外のタンパク質と結合してシナプス小胞に存在しているか、SNAREと結合していてもそのATPase活性がなんらかの機構によって制御されている。小胞と膜とのドッキングは、SNARE以外のタンパク質によって媒介されて起こり、NSFによるATPの加水分解と共役して20S複合体が分解して膜融合が引き起こされる。
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