研究課題/領域番号 |
08272202
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山口 明人 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (60114336)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | テトラサイクリン排出蛋白 / 薬剤排出蛋白 / アンチポーター / トポロジー / 構造決定 |
研究概要 |
グラム陽性細菌と陰性細菌の薬剤排出蛋白の膜内構造を決定し、比較研究を行った。まず、代表的なテトラサイクリン排出蛋白Tet(B)のCys-free変異体をベースにして、任意の位置にCysを導入し、SH試薬との反応性から、その位置が1)膜の疎水性領域内にあるかまたは溶媒に露出した部位にあるか、2)溶媒に露出した位置の場合、それは細胞質側かそれともペリプラズム側か、を正確に判定できることを示し、詳細な膜蛋白質のトポロジー決定法を確立した。この方法は、従来のPhoA蛋白融合法にくらべ、自然の状態に近い膜蛋白をもとにした構造決定であるため、はるかに信頼性が高い。また、PhoA融合法では不可能な、膜貫通領域と溶媒露出領域の正確な境界決定が可能である。 ついで、グラム陽性細菌のTet(K)の構造決定を行った。その結果、Tet(K)はTet(B)と全く同様の機構でテトラサイクリンを排出するにも関わらず、膜貫通構造は大きく異なることが明らかになった。すなわち、Tet(B)は多くの二次性能動輸送体と共通の12回膜貫通構造を持つのに対し、Tet(K)は14回膜貫通構造であった。12回貫通構造は、膜輸送体に広く保存された基本構造であるにも関わらず、なぜ同じテトラサイクリン排出蛋白の中でこのような異形が許されるのか、今後の興味ある検討課題である。
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