研究課題/領域番号 |
08272204
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西山 真 東京大学, 生物生産工学研究センター, 助教授 (00208240)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1996年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | リンゴ酸脱水素酵素酵素 / 耐熱性酵素 / フォールディング / 蛋白質工学 |
研究概要 |
野生型tMDHは90℃の熱処理によっても失活しない高い耐熱性を有する。tMDHはNAD結合ドメインと触媒ドメインの大きく2つの機能ドメインから成り立つが、このドメインのフォールディングおよびそれらのフォールディングにおける相互作用を解析することにより、個々の蛋白質ドメインのフォールディングと蛋白質全体のフォールディングとの関係が明らかになると同時に、tMDHの高い安定性を理解するための重要な知見が得られるものと期待された。tMDHを完全にドメインごとに分断された酵素蛋白質を作製したところ、野生型酵素とほとんど同一の酵素活性を有することが明らかとなった。この分断tMDHは若干耐熱性が低下したものの、依然として80℃でも失活しない高い耐熱性を有していた。また、各ドメインを独立に大腸菌内で生産させたところN末ドメインのみが安定に大腸菌金体内に可溶性蛋白として生産された。このことから、少なくともN末のNAD結合ドメインが独立にフォールディング能を持ち、それを核としてC末ドメインがフォールディングする可能性が示唆された。つぎに分断酵素の塩酸グアニジンを用いた変性-再生の解析を行った。両過程においても興味深いことに、同一変性剤濃度において再生時の方が変性時よりも高い二次構造含量を持っていることが明らかとなった。また、変性においては蛋白質濃度依存性が見られなかったが、再生時は再生の最終段階で濃度依存の相が見られた。これらの事実は、この分断酵素が変性と再生の経路が異なる可能性を示唆しているものと考えられた。一方、tMDHの個々のサブユニットの安定性とドメイン間相互作用との関係を調べるため、ドメイン間相互作用に関与すると考えられるアミノ酸残基を改変したが、その改変体の耐熱性には全く低下が認められなかった。 tMDHとブタ細胞質型MDHでアミノ酸配列を比較した場合、両者間では50%ものアミノ酸が同一であるにもかかわらず、安定性は著しく異なっている。これまでの研究により、tMDHにおいてはサブユニット間の結合が非常に強固であり、これが分子全体の安定性を増大させるのに寄与していることが示唆されていた。そこで、tMDHにのみ見られる塩橋に注目し、構成するアミノ酸に置換して、安定性ならびにリフォールディングへの影響について解析したところ、この改変体は耐熱性、塩酸グアニジン耐性に変化が見いだされなかったが、SDSに対する耐性が著しく低下していることが明らかとなった。
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