研究課題/領域番号 |
08274101
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
田中 克典 島根大学, 生物資源科学部, 助手 (60273926)
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研究分担者 |
村上 洋太 京都大学, ウイルス研究所, 助教授 (20260622)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1996年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | ARS / 分裂酵母 / Abpl / CENP-B / セントロメア / DNA複製 |
研究概要 |
研究目的:我々が単離した分裂酵母ARS結合蛋白質Abp1はヒト及びマウスのセントロメア結合蛋白質、CENP-Bと相同性を持つ。分裂酵母のARSやセントロメア領域が非常にAT-richであり、ARSの多くがMAR/SARに含まれるということを考え併せるとAbp1がMAR/SAR結合蛋白質として、複製、染色体の分配などにかかわっている可能性が考えられる。本研究では上述の可能性を考慮し、Abp1の核内での機能、特に複製開始やセントロメアでの機能を明らかにすることを目的とした。 研究成果:Abp1の細胞内での機能を解析し以下の結果を得た。1)Abp1の遺伝子破壊株は生育が遅く、特に低温でそれが顕著である。2)Abp1遺伝子破壊株ではDNA複製の開始のdelayが見られる。3)複製開始複合体のcomponentの一つと考えられるOrplpの高温感受性株で観察されるsynthetic S-phase checkpoint defectがAbp1の遺伝子破壊によって増強される。4)Abp1遺伝子破壊により、ミニ染色体の安定性がチューブリン重合阻害剤TBZに超感受性になる。5)Abp1の過剰発現によりDNA複製開始の阻害が起こるとともに核分裂の異常が起こる。6)Abp1と結合する因子をtwo hybrid法でスクリーニングした結果、chromatin-remodelingに関与する出芽酵母のSNF5と部分的に相同性を示し、細胞増殖に必須な核内に局在する因子を得た。7)GFPを用いた顕微鏡観察により、Abp1は核に特異的に局在しさらに複数のスポット状にも観察された。現在このスポットついて詳しく解析を行っている。 以上の結果及びCENP-Bの機能との類推から、Abp1は染色体の構造の変化を通して染色体複製と分配の双方に関与している可能性を考えている。
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