研究課題/領域番号 |
08275202
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山下 正兼 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30202378)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 卵成熟 / 魚類 / 両生類 / mRNA / MPF / cdc2 / サイクリンB / 単クローン抗体 |
研究概要 |
卵成熟における減数分裂再開の分子機構を明らかにすることを目的に、以下の2点について調べた。 1)キンギョサイクリンBmRNAの翻訳開始機構 ポリA鎖の伸長を阻害するコルジセピンが、ホルモン刺激によるキンギョ卵成熟を阻害することを発見した。このことはポリA鎖伸長がサイクリンBmRNAの翻訳開始に関わることを示唆する。ポリA鎖伸長の調節機構を探るため、キンギョのcytoplasmic polyadenylation element binding protein (CPEB)、ポリAポリメラーゼ、ポリA結合蛋白質のcDNAクローニングを行い、大腸菌で作製したそれぞれのリコンビナント蛋白質に対する単クローン抗体を作製した。現在、これら抗体を用いた解析を進めている。 2)アカガエル卵成熟過程における卵成熟促進因子(MPF)の形成.活性化機構 アカガエルサイクリンB1とB2の全長cDNAをクローニングし、リコンビナント蛋白質に対する抗体を作製し、サイクリンB1、B2蛋白質の卵成熟過程での変化を追った。両者ともに未成熟卵には存在せず、卵成熟過程で出現し、cdc2と結合してMPFになることが示され、pre-MPFの不在が確認された。 バナデ-トがアカガエルMPFの活性化を阻害することからcdc25の関与が示唆されていたが、バナデ-ト存在下でcdc2のチロシンリン酸化は認められず、スレオニンリン酸化が阻害された。すなわち、バナデ-トによるMPFの活性化阻害はcdc25を介したものではなく、cdk7/サイクリンHを介したものと推定された。以上のことから、アカガエル卵成熟におけるMPFの形成.活性化機構はキンギョのそれとほぼ同様と結論される。
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