1.細胞性粘菌における細胞融合関連分子gp138をコードする遺伝子GP138Aの上流領域の解析: GP138Aの上流約2.0Kbを単離し、塩基配列、及び転写開始点を決定した。また、発現長世知機構の解明のために、GP138Aの転写開始点を含む上流配列を細胞性粘菌のプロモーター解析ベクターであるpDdGalのlacZ遺伝子の前に挿入したプラスミドを調製し、それを導入した細胞性粘菌の形質転換を作製した。 2.gp138遺伝子およびその産物の多重性の解析: gp138をコードする複数の遺伝子について過剰発現株を作製し、タンパク質についての厳密な解析を行った。それによって、「gp138」タンパクは分子量的に極めて接近し、構造的・免疫学的に類似したアイソフォームの集団であることが明らかになった。このような遺伝子の多重性は、gp138の重要性の反映であると考えられる。 3.生殖細胞分化に伴って発現する新たな遺伝子の単離: 性的に成熟した細胞性粘菌のcDNAライブラリーを作製し、そこで発現する遺伝子を大規模に配列決定する試みを開始した。配列決定された新規の遺伝子の中から膜タンパク質と予想される遺伝子を選び出し、さらにノーザンハイブリダイゼーションを行って、生殖細胞特異的に発現している遺伝子を検索した。その結果、2種類の著しく発現が増加する遺伝子を得ることができた。
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