研究課題/領域番号 |
08275210
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
福井 泰久 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00181248)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1996年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 胞子形成 / 接合 / 分裂酵母 / ホスファチジルインストール3キナーゼ / 減数分裂 |
研究概要 |
分裂酵母のPI3K遺伝子(p3k)をクローニングし、p3k欠損株を作成した。分裂酵母p3k欠損株は液胞の数と大きさが増大していて、高温感受性、塩濃度感受性、栄養源飢餓感受性で、接合能が著しく低下し、胞子形成不能であった。このうち、胞子形成能につき、詳細に解析した。p3k欠損2倍体を作成し、胞子形成培地で培養した。その結果、p3k欠損2倍体からも胞子様のものが生じることがわかった。しかし、両方のp3k遺伝子を欠損した2倍体から生じたものは生育しなかった。片方のp3k遺伝子を欠損した2倍体から生じたものはp3kが欠損しているかいかんにかかわらず、すべて生育することから、p3kは胞子の発芽に関係しているのでなく、胞子形成に必要なことが示された。次に、両方のp3kを欠損している2倍体から生じる胞子様構造がなにであるかを調べるために、DAPI染色を行った。その結果、p3k欠損株であってもやや時間的には遅れるものの減数分裂はほぼ正常におこり、4核になることがわかった。これらの核は胞子様構造内に正しく分布していることから、これらは不完全な胞子であることが判明した。しかし、正常な胞子に比較して、光沢がないなど明らかに異常で、何らかの欠陥があるため発芽できないと思われた。次に、接合能低下、胞子形成不能の表現型に対するサプレッサー変異株を作成した。これらのサプレッサー変異株の胞子形成の様子を観察したところ、p3k欠損株の減数分裂の遅れが回復していること、比率は悪いものの正常な光沢をもった胞子が出現することがわかった。しかし、これらの胞子は時間をおくとviabilityが低下することもわかった。従って、これらのサプレッサー変異株では胞子形成能は部分的に回復しているものの不完全であると思われた。
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