研究課題/領域番号 |
08276205
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
多羽田 哲也 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (10183865)
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研究分担者 |
常泉 和秀 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (40280953)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 位置情報 / モルフォゲン / パターン形成 / 成虫原基 / ショウジョウバエ |
研究概要 |
ショウジョウバエの翅、肢などの器官は2つの発生コンパートメントから成る成虫原基から形成される。TGF-βファミリーに属する分泌性シグナル分子decapentaplegic(dpp)は、成虫原基のコンパートメントの境界に発現し、パターン形成を司る位置情報を規定する働きを持つと考えられている。この機構を解明するためにdppのシグナルにより転写誘導される新規遺伝子1883を同定し、機能解析を行った。 1.異所的に発現させたdpp、あるいは構成的な活性を持つDpp受容体により1883の発現の誘導が観察されたことから、1883の転写はdppにより正に制御されていることが示された。2.cDNAの塩基配列の解析から1883遺伝子産物はMadとよばれる転写因子に低い相同性を持つことが明らかとなった。Madはdppと相互作用することによりショウジョウバエから単離された遺伝子で、dppのシグナル伝達に必要とされる転写因子と考えられている。3.1883遺伝子を個体に異所的に発現させたところ、dppのシグナルが遮断された表現型を示した。さらにdppにより発現が誘導される転写因子であるsalやombの発現が1883により抑えられることが観察され、表原型と一致した。4.Madを個体に異所的に発現させるとDppシグナルが増強された表現型を示す。Madと1883遺伝子を同じ細胞で異所的に発現させるとお互いの作用を打ち消し、ほぼ野生型の表現型を示した。以上の結果から、Dppモルフォゲンによるパターン形成機構は、1883によるネガティヴフィードバック制御を受けると考えられる。dppからの正の制御と、それにより誘導される負の制御のバランスによって、位置情報の勾配が決定されているのであろう。
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