研究課題/領域番号 |
08277205
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大矢 禎一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (20183767)
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研究分担者 |
平田 愛子 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (30092307)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | カルモデュリン / 酵母 / 細胞周期 |
研究概要 |
出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)のCa^<2+>結合蛋白質カルモデュリンについて、我々は遺伝学的研究を展開し、標的タンパク質と相互作用する領域のアミノ酸残基の部位特異的変異株の解析を行ってきた。それぞれ遺伝子内で相補する単独の標的タンパク質との結合のみに欠損を持つ変異の単離に成功し、カルモデュリンが少なくとも細胞周期の諸事象に必須な4つの機能を持っていることを証明した。その過程で、カルモデュリンが微小管の集合中心(酵母ではSpindle pole body:以下SPBと呼ぶ)の機能に必須で、染色体分配を制御している事実を掴んだ。今回、我々はSPBの複製と機能に関する新しい変異株をカルモデュリンの変異と合成致死を示す変異として多数単離し、そのような相補性グループの変異のうちで、まず一つの変異(shc2)の表現型を精力的に解析した。PCRを用いたランダムな変異を導入して、温度感受性のshc2変異株を多数取得し、全ての変異位置の決定を行った後で、表現型の解析を徹底的におこなった。shc2の温度感受性変異を解析した結果、SPBの特に内側のinner plaqueと呼ばれる構造が欠落していることを発見した。したがって、この遺伝子産物が明瞭にSPBのinner plaqueの構造維持に関与していることが明らかになった。さらに変異株では、H1キナーゼ活性が低下したままになっていること(G2ブロック)がわかった。したがってSHC2はSPBの特に内側の構造形成に必須であり、shc2の表現型は、何らかのチェックポイントが働いてG2期に増殖を停止していると理解された。
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