研究課題/領域番号 |
08278217
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
松本 明 神戸大学, 医学部, 助教授 (80181759)
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研究分担者 |
馬場 久光 神戸大学, 医学部, 助手 (70189728)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | βアミロイド / セリンプロテアーゼ / 脳老化 / 細胞外間質 / アルツハイマー病 / 基質特異性 / ヘパラン硫酸糖質 / 蛋白分解制御 |
研究概要 |
本研究計画の各研究目的について、平成8年度に達成された研究実績配下のとうりである。 (1)天然βアミロイド基質の調整およびヒト脳細胞外マトリクス疑似環境の作成:天然βアミロイド基質はアルツハイマー病患者脳および各年齢正常層正常人脳より、抗βアミロイド抗体を用い免疫沈降法により精製した。細胞外マトリックスはすべてヒト由来でラミニン、フィブロネクチン類、コラーゲン類およびヘパラン硫酸プロテオグリカンを用いた。プロテアーゼは患者リンパ球及び患者脳より精製した68kDaセリンプロテアーゼを用いた。 (2)天然基質凝集解析および分解解析:(1)の基質のうちβアミロイドを含むC端側ペプチド(CTPs)を用いた解析ではコラーゲン(IV)が最も高率に高分子凝集体を形成した。APPの細胞外ドメインを含む数種の断片を基質とした分解解析から、本プロテアーゼはこれら天然基質分子上のヘパラン硫酸糖質の有無によりその分解効率が変化することを見いだした。 (3)糖修飾酵素を用いた解析から本プロテアーゼはそれ自信がヘパラン硫酸残基を含むアスパラギン結合糖鎖をその分子内にもつことを明らかにした。またその由来組織による差を認めなかった。 (4)今後の研究の展開に関する計画:現時点デ明らかになっている本プロテアーゼの特性から、一連の血液凝固の関連するセリンプリテアーゼ群及びそれらのインヒビターを強く想起させる。今後in vivoにおける本酵素の機能を解明するため、ヒト脳の系での特異的インヒビターの検索、各構成要素の糖の変化による凝集性βアミロイドペプチドの生成量、凝集能の変化に的を絞り研究を展開させたい。
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