研究概要 |
(1)PACE4遺伝子構造の解析(辻) PACE5アイソフォームの生成を明らかにするためにはその遺伝子を調べる必要があるが,現在までにヒトゲノムライブラリーをアイソフォーム特異プローブや触媒部位のプローブでスクリーニングした結果,ヒトPACE4遺伝子は約150kbの長さを有し,同一遺伝子上に触媒部位,ホモB領域,各アイソフォーム特異的領域をコードするエクソンが並んでいることが判明しつつある.本年度は,さらに詳細な解析を進め,選択的スプライシングの仕組みを明らかにした. (2)PACE4遺伝子5′-上流域の構造解析(辻) (1)の結果をもとに,PACE4遺伝子の5′-上流域をコードするDNA断片をクローニングし,プライマーエクステンション法を用いて,各種培養細胞及び各種臓器より分離したpoly(A)+RNAを鋳型として転写開始点の決定を行い,各アイソフォームの転写開始点に違いが見られるか明らかにした. (3)PACE4遺伝子5′-上流域の機能解析(松田) 5′-上流域DNA断片をレポタ-ジーンであるルシフェラーゼ発現ベクターに組み込み,培養細胞にトランスフェクションを行い,発現したルシフェラーゼ活性を測定することにより,プロモーター領域,発現調節を行うシスエレメントを同定した. (4)PACE4アイソフォームの細胞特異的発現(長浜) 各アイソサフォームに対する特異抗体は,合成ペプチドまたはGSTとの融合タンパクを抗原としてウサギ抗体を作製している.また,共通して存在する触媒部位に対する抗体もGST融合タンパクを抗原としてその抗体を作製している.これらの抗体を用いて,ラットの各種臓器内でのPACE4アイソフォームの分布を明らかにした.また,各アイソフォーム共通cRNAプローブ,アイソフォーム特異cRNAプローブによってin situ hybridizationを行い,免疫染色で得られた結果を再度確認し,生理活性ペプチド産生細胞との比較を行った.
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