研究課題/領域番号 |
08278228
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
前田 浩 熊本大学, 医学部, 教授 (90004613)
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研究分担者 |
野口 陽一郎 熊本大学, 医学部, 助手 (10244112)
赤池 孝章 熊本大学, 医学部, 助教授 (20231798)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | マトリックスメタロプロテアーゼ / 細菌性プロテアーゼ / 病原因子 / 一酸化窒素 / パーオキシナイトライト / 組織破壊 / 組織修復 |
研究概要 |
マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)は、感染、炎症、あるいは固型腫瘍の進展・発育において組織破壊とその修復に関与する重用なプロテアーゼ群である。一方近年、生体内において非常に単純な無機ラジカルである一酸化窒素(NO)がつくられることが明らかとなった。NOは、特に感染・炎症の場において過剰に産生され、NO_2やN_2O_3、さらにはONOO^-(パーオキシナイトライト)などの反応性の高い窒素酸化物に変化し、多彩な生物活性を発揮することが知られている。そこで今回、我々はMMPの活性化メカニズムを解明するため、ヒト好中球より精製したMMP前駆体(proMMP-8,好中球プロコラゲナーゼ)を用いて、反応性窒素酸化物NO_2およびONOO^-によるMMPの活性化について検討した。あわせて、細菌感染病態における組織破壊機構におけるMMPの役割を解析するため、各種細菌性プロテアーゼによるMMPの活性化についても検討した。その結果、ヒトproMMP-8は、μMレベルのNO_2とONOO^-により効率よく活性化され、これはproMMP-8のpropeptidedomain(autoinhibitory domain)の一個のL-cys残基がNO_2やONOO^-により酸化されることでMMPの前駆体性が消失し、活性化がもたらされるものと思われた(Arch.Biochem.Biophys.1997,in press)。この知見は、生体内におけるNOの過剰生成がMMPの活性化を介して組織のリモデリングに関することを示唆している。さらに、細菌性プロテアーゼのうち、特にサーモライシンファミリーに属する細菌性プロテアーゼである緑膿菌エラスターゼとコレラ菌プロテアーゼが強いMMPの活性化を示し、これらプロテアーゼは、これまで全く報告のない全くユニークな部位でMMPを限定分解し、活性化していることがわかった(J.Biol.Chem.272:6059-6066,1997)。従って、病原細菌の産生するいくつかのプロテアーゼは、宿主のMMPを活性化することにより、細菌の生体内侵入を促し、病原性に寄与する可能性が示された。
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