研究課題/領域番号 |
08278229
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
宮崎 香 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 教授 (70112068)
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研究分担者 |
東 昌市 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 助手 (10275076)
安光 英太郎 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 助手 (10182346)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1996年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | マトリックスメタロプロテアーゼ / アルツハイマー病 / 動脈硬化 / 蛋白質分解酵素 / アミロイド蛋白質 / プロセシング / ゼラチナーゼ / MT-MMP |
研究概要 |
アルツハイマー痴呆症は、脳内に約40アミノ酸からなるβアミロイド蛋白質(βAP)が蓄積することが主要な原因と考えられている。βAPは細胞内でより分子量の大きな細胞膜結合型の前駆体蛋白質(APP)として合成された後、プロテアーゼによりプロセシングされる過程で切り出される。私達はこれまでマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の一つであるゼラチネ-ゼAがAPPの細胞外領域(sAPP)を切り出す"α-secretase"として働き、βAPを産生しない経路でAPPを分解するという仮説を提唱してきた。本年度はこの仮説を検証するために、培養細胞を用いてsAPPの分泌に及ぼすMMPやそのインヒビターの影響を調べた。1)まず、ヒト繊維肉腫由来HT1080細胞をコンカナバリンA(ConA)で処理すると細胞培養液中のゼラチナーゼA前駆体が活性化されるとともに、sAPP(120kDa)より分子量の低いAPPの分解断片(80〜90kDa)が生じることを見い出した。2)このAPP分解断片は細胞倍溶液に天然のMMPインヒビターであるTIMP-2や合成MMP阻害剤を添加すると消失した。3)モノクローナル抗体を用いて解析した結果、APP分解断片はsAPPのCOOH末端領域が欠如した分子であることが判明した。4)溶液中のsAPPにゼラチナーゼAを作用させても分解断片を生じないことから、APPの分解は細胞膜表層で起きていると推定された。5)sAPPの分泌はTIMP-2が過剰量存在しても、抑えられないことから、細胞におけるα-secretase活性はMMP以外の酵素が担っていることが示唆された。 以上の結果から、当初の予想とは異なり、MPPがα-secretaseとして働く可能性は低いことが示唆された。一方、1)〜4)の結果はα-secretaseに依存しない新しいAPP細胞外領域の放出機構にゼラチナーゼA、あるいはゼラチナーゼA前駆体の活性化因子であるMT-MMPが関わることを示唆している。今回見い出されたMMPによるAPPの細胞外分解経路ではβAP領域内での切断が起きないことから、この経路がβAPの産生に関与する可能性があり、この経路をさらに詳しく調べることはβAP蓄積の機序を解明する上で重要であると考えられる。
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