研究課題/領域番号 |
08278240
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
西道 隆臣 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 遺伝情報研究部門, 研究員 (80205690)
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研究分担者 |
横田 正幸 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 兵庫医科大学・医学部・脳神経外科, 助教授 (40148648)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | カルパイン / カルパスタチン / 脳虚血 / 海馬 / カルシウム / 神経細胞死 / プロテオリシス / 老化 |
研究概要 |
虚血によって誘導される神経細胞死におけるカルパイン・カルパスタチン系の役割について以下の点を明らかにした。 [1]動物モデルにおいて、虚血時間を変化させることによって生じる神経細胞死の臨界点に着目し、これとカルパイン活性化の初期相および後期相との関連について調べた。その結果、虚血直後のカルパイン活性化ではなく、約24時間後の後期相が細胞死に連動していることが明らかになった。このことは、カルパイン活性化の阻害が、虚血後であっても、比較的早い時間であれば、神経細胞死の予防として有効であることを示唆する。 [2]カルパイン特異的阻害蛋白質であるカルパスタチンに対する特異抗体を調整し、虚血後の動態を調べた。その結果、虚血後、一過的にカルパスタチンレベルが上昇するが、その後、カルパインによる分解を受けて、断片化されることが判明した。さらに、虚血に対する耐性の強いCA2錘体細胞においては、カルパスタチンレベルが高いままで維持されることが明らかになった。カルパスタチンの神経細胞防御効果が示唆された。 [3]カルパイン活性化を阻害する薬剤としてALLNalやカルペプチンを、リポソームをキャリアとして脳に投与する系を確立した。その結果、カルパイン活性化を阻害することによって、神経細胞死を有効に抑制することに成功した。本研究の臨床応用可能性が大きく広がったと言える。
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