研究課題/領域番号 |
08278241
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
桜庭 均 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 臨床遺伝学研究部門, 研究員 (60114493)
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研究分担者 |
新本 美智枝 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 臨床遺伝学研究部門, 研究員 (20216237)
伊藤 孝司 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 臨床遺伝学研究部門, 研究員 (00184656)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1996年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | リソソーム酵素 / 保護蛋白質 / β-ガラクトシダーゼ / 保護蛋白質欠損症 / バイオセンサー |
研究概要 |
1.保護蛋白質は、リソソーム内でβ-ガラクトシダーゼやシアリダーゼと高分子複合体を形成し、前者をプロテアーゼによる分解から保護し、後者を活性化すると考えられるが、その分子レベルでの制御機構は不明である。我々は、保護蛋白質とβ-ガラクトシダーゼの分子間相互作用を解析するため、バキュロウイルス発現系を用いてヒトβ-ガラクトシダーゼの前駆体と成熟体を作製した。また、神経芽細胞株を用いた発現系により保護蛋白質を作製した。これらを試料として、バイオセンサーでそれぞれの蛋白質の会合と解離を解析した。β-ガラクトシダーゼと保護蛋白質は、酸性pH条件下で、1:1〜2:1の分子比で会合した。さらに、β-ガラクトシダーゼの前駆体から成熟体への変換に伴い、保護蛋白質との親和性が3倍に増加することが明らかになった。 2.YACライブラリーを用いてクローン化した保護蛋白質DNAの塩基配列を決定し、その遺伝子の構造を明らかにした。これを基に、保護蛋白質欠損症患者の遺伝子解析を行い、日本人での本疾患の重症型を起こす原因としてY395Cが多いことを示した。 β-ガラクトシダーゼ前駆体、同酵素の成熟体、さらに同酵素と保護蛋白質の複合体に対する抗体を作製した。これらを用いて、保護蛋白質欠損症患者由来の細胞内でのβ-ガラクトシダーゼの分布を解析した。その結果、重症型患者の細胞では、同酵素の前駆体のみがゴルジ体周辺に認められるのに対して、軽症型患者の細胞では、僅かながら成熟体がリソソームに認められた。重症型では、保護蛋白質の欠損により、リソソームでβ-ガラクトシダーゼが分解されるのに対し、軽症例では、リソソーム内で一部機能を持つ保護蛋白質が、β-ガラクトシダーゼを保護すると考えられた。
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