研究課題/領域番号 |
08279106
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
木村 實 大阪大学, 健康体育部, 教授 (40118451)
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研究分担者 |
川人 光男 ATR人間情報通信研究所, 室長
彦坂 興秀 順天堂大学, 医学部, 教授 (70120300)
丹治 順 東北大学, 大学院医学系研究科, 教授 (10001885)
水野 昇 京都大学, 医学部, 教授 (10025596)
柴埼 浩 (柴崎 浩) 京都大学, 医学部, 教授 (30037444)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
163,200千円 (直接経費: 163,200千円)
1999年度: 39,700千円 (直接経費: 39,700千円)
1998年度: 39,700千円 (直接経費: 39,700千円)
1997年度: 39,500千円 (直接経費: 39,500千円)
1996年度: 44,300千円 (直接経費: 44,300千円)
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キーワード | 手続き学習 / 大脳基底核 / 補足運動野 / 階層的多順逆対モデル / 線条体 / 黒質線条体ドーパミン系 / on型杆体双極細胞 / 小脳 / 行動 / 運動 / 順序運動 / モデル / 運動学習 / 運動の記憶 / 機能的MRI / 運動記憶 / PET,機能的MRI / 筋肉のかたさ |
研究概要 |
木村は、運動や行動の学習と記憶の仕組みにおいて大脳基底核がどのような役割を担うかを調べるために、一側の黒質線条体ドーパミン系を破壊したサルに、左右の手を用いて複数のボタン押し運動を学習させた。その結果、大脳基底核は複数のボタン押し運動を予測的で、スムースな一連の運動として学習する上で必須であり、その仕組みに黒質線条体ドーパミン系が重要な役割を担うことを明らかにした。丹治は、運動発現における運動前野の機能を明らかにするための研究を行った。背側、および腹側運動前野の細胞は運動の順序制御に関わる補足運動野の細胞と異なり、行うべき運動の種類(押す、引く、回す)を表現するものが多いことが判明した。また、皮質内微小刺激によって手の運動のみならず眼球の運動が誘発される部位も多く、手と眼球の運動との協調に関与することが示唆された。彦坂は、手続き的学習の成立とその記憶の神経機構を調べる研究を行い、以下の結論を得た。前補足運動野は新しい順序の学習において刺激と運動の連合を学習することに関わるが、学習済みの運動の発現には関与しない。手続き的学習と記憶の機構は、大脳皮質前頭葉、大脳基底核と小脳を含む回路で達成されることをネットワークモデルで示した。川人は、感覚運動統合の学習を説明するモデルとして、「階層的多順逆対モデル」を提唱していたが、そのモデルはコミュニケーション信号の生成の神経回路を使って運動やコミュニケーション信号の認知が行えることを示した。笠井は、直線運動時の補償性眼球運動の基本的な性質を明らかにするために、人を対象として心理物理学的な研究を行った。水野は、線条体の投射ニューロンを免疫学的に識別する手段を開発し、黒質投射ニューロンと淡蒼球投射ニューロンに加えて、無名質に投射するニューロンの存在を発見した。これらは、Preprotachykininを産成しており、ドーパミン支配を受けないことも示唆された。臼井は、網膜での視覚情報処理を実現する神経機構を解明するためにon型杆体双極細胞の細胞体-シナプス終末間の伝達特性の解析と、神経節細胞のイオン電流モデルについて研究した。
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