研究課題/領域番号 |
08279107
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)東京都神経科学総合研究所 |
研究代表者 |
南部 篤 (財)東京都神経科学総合研究所, 病態神経生理学研究部門, 副参事研究員 (80180553)
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研究分担者 |
徳野 博信 京都大学, 医学研究科, 助手 (40212071)
稲瀬 正彦 通商産業省工業技術院, 電子技術総合研究所, 主任研究官
高田 昌彦 京都大学, 医学研究科, 講師 (00236233)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1996年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 大脳基底核 / 視床下核 / 補足運動野 / 一次運動野 / 順行性二重標識法 / バリスムス / 不随意運動 |
研究概要 |
大脳皮質、とくに運動関連領野は、線条件以外に視床下核にも直接的に投射線維を送るものと考えられており、大脳皮質-視床下核-淡蒼球内節/黒質網様部という神経回路(hyperdirect pathway)を解析することは、大脳基底核の機能を調べる上で重要である。今回は、補足運動野と一次運動野から視床下核への投射様式について、検討した。 皮質内微小刺激および単一ニューロン活動記録により、ニホンザルの一次運動野および補足運動野を電気生理学的に同定し、それぞれの領野の体部位局在に基づき、個々のサルで、同じ体部位再現を示す一次運動野および補足運動野に順行性軸索標識物質であるBDA(biotinylated dextran amine)とWGA-HRPを注入した(順行性二重標識法)。隣接切片を用いて、BDAあるいはWGA-HRPで順行性に標識された神経線維終末の視床下核における分布を比較検討した。 その結果、一次運動野からの神経線維終末は、主に視床下核の外側半に認められたのに対し、補足運動野からのものは、内側半に分布する傾向があった。一次運動野から視床下核外側部への投射様式は体部位局在的で、内側から外側にかけて下肢、上肢、顔面の順に並んでいた。一方、補足運動野から視床下核内側部への投射様式も体部位局在的であったが、一次運動野からのものとは逆に、内側から外側にかけて顔面、上肢、下肢の順に並んでいた。したがって、視床下核では、外側部と内側部に、それぞれ体部位局在が再現されており、この2つの体部位局在は互いに鏡像関係に配置されていることになる。 このような視床下核の体部位局在は、ヒト、あるいはサルで視床下核の破壊により発現するバリスムスとよばれる不随意運動の特徴を、よく説明できるかもしれない。
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