研究課題/領域番号 |
08279201
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
津田 一郎 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10207384)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 特異連続でいたるところ微分不可能なアトラクター / カオスニューロン / カオスによって駆動された縮小型力学系 / 動的な記憶表現 / カントール符号化 / 論理・ダイナミックス変換 / 形式ニューロン / 閾値 |
研究概要 |
動的な記憶表現のひとつとして、特異連続でいたるところ微分不可能なアトラクターを生成するニューラルネットモデルを構成した.さらに、脳の高次機能と感覚情報処理の間の相互作用が記憶過程に表現されるという仮説のもとに、論理とダイナミクスの関係を一般的な形で定式化した.以下この二つについて概要を記す. 1)カオスニューロンモデルをネットワークの基本単位とし、安定なスパイク列を生み出す興奮性と、抑制性のニューロンから縮小写像系を作り、これにカオス的なスパイク列を生み出す興奮性ニューロンを結合させた.このとき、縮小写像になる部分空間に特異連続でいたるところ微分不可能なアトラクターが組織され、その特異な情報構造が明らかになった.すなわち、このアトラクター上で、情報の書き込みと読み出しが並列に進行していることが分った.これはカントール集合による符号化に道を開くものである. 2)基本論理を一つ決め、任意の命題と離散力学系を対応させた.この方法により形式ニューロン、シグモイド型の入出力特性をもつニューロンを作った.これはイオンチャネルタンパクがカイネスとホスフォテ-スのネットワークによってその動作が決まるとして、それらのダイナミックスを命題の形で書き、得られた変換則を用いて力学系に変換し、得られたものである.変換された力学系がカオス的にふるまうことが本質的である.これにより、ジグモイド関数、閾値関数が導出される.
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