研究課題/領域番号 |
08279221
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
三上 章允 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (40027503)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1996年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | サル / 大脳皮質連合野 / ニューロン活動 / 視覚弁別 / 形態視覚 / 運動視覚 / 時系列 / 相互関係 |
研究概要 |
大脳皮質連合野のニューロンが視覚弁別・記憶課題遂行中に、刺激条件の違いや、弁別、記憶、行動選択などの行動条件に対応して、スパイク発生の時間的系列をどのように変化させるかを研究することを目的とし、今年度は、動画(12種類の左右対称な図形の右回転および左回転)および静止画を用いた3つの学習課題を2頭のサルで訓練した。課題1(注視課題)では、サルが画面中央を注視しているときに画像を呈示した。課題2(動きの方向の弁別課題)では、注視中に動画を1秒間呈示した後、記憶期間を経て再び画像を呈示した。呈示した画像の動きの方向がその試行の始めに呈示した画像の動きの方向と逆のときサルがレバ-から手を離すと正解とした。課題3(形の弁別課題)では、課題2と同様に画像を呈示し、試行の最初の画像と違う形が呈示されたときレバ-を離せば正解とした。これらの学習課題遂行中に、側頭連合野から動きと形の両方に選択性を示すニューロン(FM neuron)を記録した。形の選択性指数(FI=Nd/(N-1) : Ndは、あるニューロンが最大応答を示した形と識別可能な他の形の数、Nはテストした刺激の数)は、FM neuron(中央値=0.72)が形のみを扱うニューロン(F neuron ; 中央値=0.42)よりも、高い値を示した。また画像呈示から反応開始までの遅れ時間も、FM neuron(中央値=130ms)がF neuron(中央値=110ms)よりも長かった。さらに、1本の電極から記録した複数ニューロンを波形識別装置で分離して相互相関を調べた結果、約57%で相関が見られ、その内の3分の2で非対称性の相関を示した。この出現頻度は、前頭連合野と比較して高率であった。また、多点記録の目的で、2つの電極を独立に駆動するマニピュレータを開発し、現在データを取得中である。
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