研究課題/領域番号 |
08279228
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福田 淳 大阪大学, 医学部, 教授 (90028598)
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研究分担者 |
井上 徹 大阪大学, 医学部, 助手 (60263282)
佐々木 仁 大阪大学, 医学部, 助手 (40104236)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ON情報視覚伝達 / 代謝型グルタミン酸受容体6型 / ノックアウトマウス / 光誘発電位 / 上丘 / 背景光順応 / スポット光輝度 / 長潜時ON反応 |
研究概要 |
我々は前の研究において、視覚のON情報伝達に重要である代謝型グルタミン酸受容体6型(mGluR6)の欠損したマウスで、高輝度の刺激光に対して上丘の光誘発反応のON成分が消失することを証明した。今回このマウスにおいて、何らかの機序によるON情報伝達機能が残されているかどうかを検討するため、様々な背景光と光刺激条件で、光のONに対する光誘発電位出現の有無を調べた。変異型(mGluR6遺伝子欠損)および野生型(対照)マウスを、全身麻酔下で定位脳固定した。暗順応・中間順応・明順応いずれかの背景光に順応させ、散瞳した左眼の前に立てたスクリーンに対して様々な輝度のスポット光照射を行った。色素を充填したガラス電極を右側の上丘へ刺入し、導出した光誘発集合電位を32-50回加算平均した。記録終了時に電極内の色素で記録部位をマークし、ニッスル染色標本により記録部位が上丘浅層にあることを確認した。結果:まず、中間順応下で誘発電位を記録したところ、変異型においてもON反応が認められた。このON反応は、野生型の反応と次の点で異なった。1)野生型の反応潜時が50-100msecなのに対し、変異型では200-300msecと長潜時であった。2)野生型では光の輝度が高くなるほどON反応の振幅が増大するのに対し、変異型ではむしろ低輝度の光に対して高振幅で、高輝度光に対して振幅が低下する傾向にあった。3)変異型の長潜時ON反応は暗順応下でもみられたが、明順応下では明確に認められなかった。なお、OFF反応については、野生型および変異型に明らかな反応特性の差がみられなかった。以上より、mGluR6遺伝子ノックアウトマウスにおいてもON刺激に対する視覚誘発電位が上丘より生ずることが明らかになった。この長潜時ON反応は恐らく網膜内で形成されると考えられるが、今後さらに網膜あるいは視神経レベルでの長潜時ON反応を確認し、その網膜内機序を解明しなければならない。
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