研究課題/領域番号 |
08279240
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
金子 章道 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00051491)
|
研究分担者 |
金田 誠 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (30214480)
渡辺 修一 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (60138120)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | 網膜 / アマクリン細胞 / γ-アミノ酪酸 / GABA-A受容体 / 量子的放出 / スライス標本 / パッチクランプ法 / キンギョ |
研究概要 |
網膜は光受容器であるとともに、視細胞が捕らえた視覚情報からの像の形、色、動きなどの情報を抽出する神経組織である。。網膜を構成するそれぞれの細胞は特有な受容野を持ち、視細胞がとらえた視覚情報を階層的に処理している。網膜ニューロンの受容野や光応答の性質を決定するのは、それぞれの細胞へ入力するシナプス入力や細胞が持つイオンチャネルのキネティックスである。本研究では単離細胞を用いたこれまでの研究で明らかになった個々の細胞のイオンチャネルや伝達物質に関する知識を集約し、それらがどのように機能しているかを統合的に理解することを目的とした。平成8年度には網膜のスライス標本の作製法の開発に務め、アマクリン細胞間のシナプスについて解析を行った。アマクリン細胞からホールセル記録を行うと保持電圧-60mVにおいて持続時間約40msの自発性内向き電流が記録された。この電流の極性は0mV付近で反転し、さらに電極内液のCl^-濃度を変えて測定したところ、反転電位はCl^-の平衡電位に一致した。また、GABA_A受容体のアンタゴニストであるbicuculline(100μM)によって可逆的に抑制された。これらの観察から、アマクリン細胞が持つGABA受容体はGABA_A受容体であると結論した。潅流液にCo^<2+>を添加するとシナプス前細胞のCa^<2+>電流が抑制され、自発性内向き電流は消失した。自発性シナプス電流の振幅のヒストグラムを作成したところ、ヒストグラムにいくつかのピークが見られ、各ピークは基本値の整数倍に一致した。その基本値は細胞によって異なり、膜電位-80mVにおいて8〜18pAであった。以上の結果からアマクリン細胞でのGABAの放出はシナプス前細胞からのCa^<2+>依存性の開口放出によるものであり、その放出は量子的であるということが考えられる。
|