研究課題/領域番号 |
08281103
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小島 莊明 (小島 荘明) 東京大学, 医科学研究所, 教授 (00009622)
|
研究分担者 |
平山 謙二 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60189868)
松本 芳嗣 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00173922)
相川 正道 東海大学, 総合科学技術研究所, 教授 (90271593)
鎮西 康雄 三重大学, 医学部, 教授 (60024709)
小林 富美恵 杏林大学, 医学部, 助手 (20118889)
太田 伸生 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (10143611)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
181,700千円 (直接経費: 181,700千円)
1999年度: 40,000千円 (直接経費: 40,000千円)
1998年度: 44,000千円 (直接経費: 44,000千円)
1997年度: 44,700千円 (直接経費: 44,700千円)
1996年度: 53,000千円 (直接経費: 53,000千円)
|
キーワード | マラリア / 脳マラリア発症機構 / 感染防御 / サイトカイン / ノブ蛋白 / ベクター / 分子生物学 |
研究概要 |
1)脳マラリア発症機構と重症化阻止の分子機構:P.berghei ANKA感染脳マラリアモデルにおいて、脳症を発症するC57BL/6マウスと発症しないBALB/cを用い、肝、脾、脳におけるサイトカイン・ケモカイン応答について検討したところ、両系統のマウスの間に基本的には大きな差はみられなかったが、感染後24時間以内に脳においてケモカインmRNAの強い発現がみられ、さらにin vitroにおいて原虫抗原がアストロサイトにケモカインの発現を誘導することが判明した。このことから、脳マラリア発症には、免疫系のみならず神経系細胞の関与が示唆された。P.coatneyi感染ニホンザルにおいては、昏睡に至った時点で血清中可溶性Fas Lの著しい上昇が認められ、アポトーシスがマラリア重症化因子のひとつと考えられるに至ったが、sFasL及びTNF-αの細胞外への放出を抑制するmatrix methalloprotease inhibitor (MMPI)を感染サルに投与すると、感染初期に一旦減少する末梢血T細胞を増加させ、parasitemiaの上昇が抑制または遅延することが判明した。また、P.bergheiの感染によって、肝臓においてマクロファージやKupffer細胞からIL-12及びIL-18が産生され、これによって活性化されたCD8^+NK1.1^+T細胞が肝実質細胞を傷害し、マウスに肝炎が起こることが示された。 2)宿主免疫応答と感染防御機構の解析:胸腺外T細胞が防御的に機能する根拠として、骨髄赤血球はMHCクラスI抗原とCD1を発現していること及びそのような赤血球にメロゾイトが感染していることが明らかにされた。 3)マラリア原虫とベクターとの分子的相互関係の解析:ハマダラカ中腸細胞への原虫の接着や侵入に関与する候補分子としてCTRPがあるが、そのmRNAはP.bergheiオオキネートに発現され、また蛋白としてもオオキネートのミクロネームと考えられる部分に存在する所見が得られた。この遺伝子をノックアウトしたところ、オオキネート形成は正常であったが、オーシストの形成は完全に阻止された。このことは、CTRPが中腸細胞への原虫の侵入と原虫の発育に重要な分子であることを示唆しており、極めて重要な発見である。
|