研究課題/領域番号 |
08281207
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
川本 文彦 名古屋大学, 医学部, 講師 (40115556)
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研究分担者 |
木村 政継 大阪市立大学, 医学部, 助手 (60195378)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1996年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | マラリア原虫 / 表面抗原遺伝子 / MSP-1 / 疫学調査 / 18SリボゾームRNA / ブラジル / ベトナム / 新型変異株 |
研究概要 |
(1)熱帯熱マラリア原虫の変異株は、18SrRNA遺伝子のターゲット部分の可変領域にポイントミューテーション(GからTへの変異)を有することが判明した。この変異株は広く東南アジア(ベトナム、タイ、ミャンマー、ラオス、インドネシア)からソロモンに分布しており、これまでのところ約30%に従来型と変異型の両者の混合感染が認められた。しかし、タンザニアとブラジルから分離された熱帯熱マラリア原虫には一例も変異株が見いだせず、東南アジアのみに集中して分布しているものと思われた。また、これまでの所、脳マラリア患者から検出された熱帯熱マラリア原虫10例につき調査したが、変異株は3例に認められたものの、全て従来型が優先種と考えられた。 (2)ブラジルおよびベトナムから得られた熱帯熱マラリア原虫野性株のMSP-1遺伝子多型性の解析を行った。その結果、ブラジルとベトナムでは分布している野性株の遺伝子型はかなり異っており、それぞれに特定の遺伝子型が優先的に存在するものと考えられた。また、ベトナムでは2年間のインターバルを経ても遺伝子型に大きな変化は認められなかった。この事実は、獲得免疫による抑制因子が特定遺伝子型の存在に重要な働きをしていないものと示唆された。 (3)四日熱マラリア原虫では、中国、タイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス、インドネシアから同一の新型変異株が見出され、いずれもrRNA遺伝子のターゲット部の塩基配列に19塩基の欠損が見られた。 (4)卵形マラリアではベトナムで見い出された新型変異株がタイ、ミャンマー、ラオスからも検出された。
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