研究課題/領域番号 |
08281208
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宇高 恵子 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40263066)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | MHC / ペプチド / ライブラリー / T細胞 / エピトープ / マラリア |
研究概要 |
1)MHC結合に対するペプチド上の各アミノ酸の貢献度の測定 9アミノ酸長のランダムライブラリーを用いてマウスKb、Db、Ldについてポジショナルスキャニングを行った結果、各MHC分子に特徴的なアミノ酸の結合貢献度の違いが観察された。 2)ライブラリーの結合実験値を用いた既知のT細胞エピトープの予測 上記結合実験値を加算的に扱い、任意のペプチドについてその結合度を予測した。その結果、300〜500アミノ酸長程度の親蛋白質中に存在するペプチドのうち既知のT細胞エピトープのほとんどは上位1〜7番目にランクされ、Ldのように自然エピトープがすべて1位にあげられたものもあった。しかし、MUT1腫瘍ペプチドにように低く予想されたものもあった。このペプチドは実測でも結合能は測定限界以下であった。 3)未知のペプチドに対するMHC結合性の予測 上記の予想法を自動化するプログラムを作製した。任意の蛋白質由来のペプチド約60種について結合能を実測し、予想値と比較した。両者の間には正の相関がみられたが、一桁程度のふれのある分布をみせた。これは、各アミノ酸の貢献が完全に独立には扱いきれないことを反映するものであろう。 4)既知のマラリア蛋白質中にT細胞エピトープを予想する試み 遺伝子配列のわかっているマラリア蛋白質のうち肝細胞期に発現されている可能性のあるものについて高いMHC結合能をもつペプチドを予想した。しかし、今回ライブラリーによる解析が可能となったペプチドトランスポーター欠損株の得られているMHC分子については細胞障害性T細胞に認識されるエピトープの報告がなく、予想と実際のエピトープの比較はできなかった。今後は、ヒトのMHCについてマラリア蛋白質中で提示されるペプチドを予測し、既知の報告と比較し、可能性のあるペプチドについて免疫効果をみたい。
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