研究課題/領域番号 |
08281213
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
藤井 寿一 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (70107762)
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研究分担者 |
廣野 晃 (財)沖中記念成人病研究所, 専任研究員 (90181221)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 赤血球酵素異常症 / グルコース-6ーリン酸脱水素・酵素異常症 / プリマキン / 藻剤惹起性溶血発作 / スクリーニング法 / 変異酵素 / ミスセンス変異 / PCR-SSCP法 |
研究概要 |
グルコース-6ーリン酸脱水素酵素(G6PD)異常症は変異酵素によっはプリマキンなどの酸化作用を有する薬剤の服用後に溶血発作を来すため、マラリア制圧上重要な問題となっている。そこで、今年度は新しいG6PD異常症のスクリーニング法を開発した。先ず、DEAE-Sephadex、基質G6P、補酵素NADP、MTT、PMSを含む酵素反応チューブを作製する。これに全血5μlを加え、よく混和後、室温に静置する。G6PD活性が正常である場合は20〜40分後にDEAE-Sephadex層がブルーの色調を帯びてくるが、活性が正常の10%以下である場合は全く色調の変化が見られない。本法は手技が簡単で、多数検体の処理が可能で、特殊な装置が全く不要で、数十分でG6PD異常症の診断が可能である。従って、フィールドでマラリア治療薬投与の可否を日を改めずに決定することが可能となった。次いで、マラリアの流行地域であるパプアニューギニアにおけるG6PD異常症の分子異常を同定した。パプアニューギニアの295名(男性120、女性175、総数470アリル)の遺伝子DNAを抽出し、部分イントロン配列を含む全翻訳領域をPCR法にて増幅したのち、nonRI-SSCP法にて遺伝子変異のスクリーニングを行った。異常なSSCPパターンを示す部位は蛍光ヌクレオチドを用いる直接シークエンス法にて塩基配列を決定した。遺伝子解析の結果、(1)110T→C(37Met→Thr)変異1アリル、(2)IVS-2 37A A→G変異アリル、(3)243 C→T(81 Arg→Arg)変異2アリル、(4)1360 C→T(454 Arg→Cys)変異1アリル、(5)IVS-11 17G→A変異4アリルの5種類の単一塩基置換を同定した。1360 C→T変異は東南アジア〜メラネシアに広く分布する古い起源の変異酵素(G6PD Maewo)で、パプアニューギニアにも存在することが予想されたが、他は新しい変異である。
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