研究課題/領域番号 |
08281214
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
中西 憲司 兵庫医科大学, 医学部・(免疫学・医動物学), 教授 (60172350)
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研究分担者 |
善本 知広 兵庫医科大学, 医学部・(免疫学・医動物学), 講師 (60241171)
岡村 春樹 兵庫医科大学, 医学部・(免疫学・医動物学), 助手 (60111043)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1996年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | P.berghei / Kupffer細胞 / IGIF / IFNγ / IL-12 / Th1 / NK / 肝炎 |
研究概要 |
マラリアの感染型幼虫であるsporozoiteは生体に侵入すると最初に肝のKupffer細胞に感染する。今回、マラリア原虫に対する最初の宿主免疫応答臓器である肝臓の感染によって誘導される組織学的変化と免疫系細胞の活性化、ならびに血清中のサイトカイン値を測定した。C57BL/6マウスの肝臓には、IL-4産生能を有するCD4^+NK1.1^+T細胞と胸腺外で分化するCD3^+IL-2Rβ^+のT細胞とが多数存在する。マウスにP.berghei感染赤血球を投与すると、感染7日目には前者の細胞の数は著明に減少するが、一方、後者の細胞はその数が増加するとともに、IFNγ産生能を獲得する様になる。その理由を検討したところ、Kupffer細胞が産生するIL-12の作用によることが明らかになった。またKupffer細胞はIL-12とともに大量のIGIFを産生しており、この二種類のサイトカインの作用でT細胞は大量のIFNγを産生することも示された。組織学的には、HE染色したところ、広範囲の肝細胞壊死が認められた。この壊死は肝細胞のアポトーシスによるものであった。また感染マウス血清中には肝の逸脱酵素が著明に上昇していた。この肝障害の原因はIL-12とおそらくIGIFの作用でTh1/NK細胞の過剰活性化がおこるためであることが示された。実際、抗IL-12を投与すると肝障害は著明に阻止され、マウスの生存期間も約二倍に延長したからである。しかし抗体投与は赤血球の感染率の上昇に対しては全く抑制効果を示さなかった為、マウスは明らかに延命にするものの死亡が阻止されることはなかった。今後はIGIFの肝炎発症における役割並びに感染抵抗性に対する役割を検討していきたい。
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