研究課題/領域番号 |
08282204
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
徳久 剛史 千葉大学, 医学部, 教授 (20134364)
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研究分担者 |
岡田 誠治 千葉大学, 医学部, 助手 (50282455)
幡野 雅彦 千葉大学, 医学部, 助手 (20208523)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1996年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | c-Fos / メモリーB細胞 / トランスジェニックマウス / アポトーシス / クラススイッチ / BCL6 / ノックアウトマウス / 胚中心 |
研究概要 |
本研究は、メモリーB細胞の分化機構を転写因子(c-FosやBCL6遺伝子)のレベルで明らかにすることを目的とした。リンパ球の活性化のプロセスで一過性に誘導されるc-Fosを経常的に発現するトランスジェニック(H2-c-fos)マウスでは、IgGメモリーB細胞の分化が障害されていた。そこで、免疫後のH2-c-fosマウスの脾臓を病理組織学的に解析したところ、その胚中心内にあるB細胞のなかでIgG^+B細胞の分化が認められなかった。このことから、c-FosによるIgGメモリーB細胞の分化障害は、そのクラススイッチ過程にあることが示唆された。そこでつぎに、H2-c-fosマウス由来のB細胞のクラススイッチ能をIn vitro系でLPSとIL-4を用いて詳細に解析したところ、H2-c-fosB細胞がクラススイッチ過程でアポトーシスで死滅することを明らかにした。以上の結果から、c-FosがIgクラススイッチを介したメモリーB細胞の分化機構にアポトーシス誘導を介して負の方向に関与をしていることが示唆された。 また、最近ヒトのB細胞リンフォーマの染色体転座部位から単離されたBCL6遺伝子がヒトの扁桃腺の胚中心の細胞で強く発現することが明らかにされた。そこで、不活性型のマウスBCL6遺伝子をES細胞に導入して、BCL6のノックアウトマウスを作製した。このマウスは、生後8週以内に心筋細胞の懐死をおこして死亡してしまう(投稿中)ので、このノックアウトマウス由来の骨髄細胞を放射線照射したrag-1ノックアウトマウスに移植して骨髄キメラを作製した。このキメラマウスを抗原で免疫した後、胚中心の形成能を病理組織学的に解析したところ、免疫後いずれの時期においても胚中心の形成が見られなかった(投稿中)。以上の研究成果からBCL6は胚中心の形成において必須の遺伝子であることが明らかとなった。
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