研究課題/領域番号 |
08282221
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
審良 静男 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (50192919)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1996年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | サイトカイン / シグナル伝達 / STAT / ノックアウトマウス / 発生 / ヘルパーT細胞 / クラススイッチ |
研究概要 |
最初、インターフェロンシグナル伝達の研究から発見されたJAK-STAT経路は、その後他の多くのサイトカインのシグナル伝達にも関わっていることがあきらかとなった。従来のシグナル伝達経路と異なりSTATファミリーメンバーのリン酸化および活性化は極めてリガンド特異的である。本研究では、STAT3とSTAT6遺伝子ノックアウトマウスを作製し、サイトカイン機能のどの部分でJAK-STAT経路がエッセンシャルな役割を果たしているのかを解明した。 (1)STAT3ノックアウトマウスの解析:ヘテロマウス同士の掛け合わせをおこなったがホモ接合体は得られず胎生期致死であることが判明した。胎生期の各段階で胎児をとりだし解析したところ、STAT3ノックアウトマウスは、胎生期の極めて初期に死亡し、原腸形成に至らないことが判明した。STAT3の胎生期の発現パターンがvisceral endodermに限定されていることより、STAT3ノックアウトマウスの死因は、胎盤の機能不全によると考えられた。 (2)STAT6ノックアウトマウスの作製と解析:STAT6ノックアウトマウスにおいてT細胞やB細胞の分化、成熟に異常は認められなかった。しかし、IL-4によるB細胞表面のCD23やMHCクラスIIの発現の増強、IL-4によるIgEおよびIgG1へのクラススィッチ、Th2サイトカイン産生が障害されていた。さらにSTAT6ノックアウトマウスにおいては、IL-13のシングナル伝達も障害されていた。これらの所見は、STAT6がIL-4とIL-13のシグナル伝達に必須の分子であることを示している。
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