研究概要 |
IL-12はin vivoで例えば腫瘍の拒絶を惹起しうる如く、T細胞機能を著名に亢進して全身性または組織局所的炎症を惹起させる。このことは逆に移植片拒絶反応、自己免疫等炎症疾患の成立及びその慢性化にこのサイトカインが深くかかわっていることを示唆し、IL-12の作用を制御することが各種病態の改善に連がることが考えられる。そこで本年度の研究はIL-12の生体内での産生制御機構を解析することを目的とした。次の成果が得られた。T-APC相互作用においては、T細胞上のCD40LによりAPC上のCD40が刺激される結果、APCからIL-12が産生されることがわかっている。このCD40LによるIL-12の産生はB細胞の存在によって著明に抑制された。即ち、B細胞はCD40を発現しており、APCのCD40と拮抗し、活性化T細胞上のCD40LがAPCのCD40とinteractすることを阻害することがわかった。又、IL-12産生は、三つの主要なTh2サイトカイン(IL-10,IL-6,IL-4)により複雑に制御されることが明かとなった。IL-10はCD40L刺激によるIL-12産生を著明に抑制した。IL-6はCD40L刺激による産生に影響を与えなかった。又IL-4はCD40L刺激のIL-12産生を亢進した。以上、IL-12産生はB細胞及びTh2サイトカインにより複雑な制御を受けることが明らかになった。
|