研究課題/領域番号 |
08282238
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
石井 俊輔 理化学研究所, 分子遺伝学研究室, 主任研究員 (00124785)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1996年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | Myb / 転写制御 / コアクティベータ- / シグナル伝達 / 細胞増殖 |
研究概要 |
myb遺伝子産物(Myb)は未分化造血系細胞やT細胞の増殖に必須であると考えられている。本研究ではMybの活性制御機構や標的遺伝子などについて解析し、Mybによる遺伝子発現制御機構を明らかにすることを目的とした。Mybの活性制御機構を遺伝学的手法で解析することを目的として、ショウジョウバエmyb(D-myb)変異体を分離するためのスクリーニングを行った。この過程で、D-myb変異体と共に、D-mybと類似のβ-gal発現パターンを示すXクロモソーム上のPエレメント挿入変異体をいくつか分離できた。そのうちのひとつの変異体におけるPエレメント挿入部位の遺伝子の構造を決定してみると、マウスCBPと高いホモロジーを有していた。CBPはもともとcAMP経路上で機能する転写因子CREBに結合するコアクティベータ-として分離・同定されたものである。コアクティベータ-はプロモーター上流のエンハンサー結合因子と基本転写因子(TBPなど)とのブリッジ役として機能すると考えられている。この遺伝子産物はショウジョウバエCREB(dCREB)とPKA依存的に結合し、dCREBによる転写活性化を促進することからショウジョウバエCBP(dCBP)であることが示された。この結果はCBPがc-Mybのコアクティベータ-としても機能する可能性を示唆したので、一連の解析を行った。その結果、マウスCBPはマウスc-Mybにリン酸化依存的に結合し、c-Mybによる転写活性化に必須であることが示された。このようにCBPはCREBばかりではなくc-Mybのコアクティベータ-としても機能することが明かとなった。c-Mybとリン酸化CREBはCBP分子内のN端側の同じ領域に結合するので、c-MybとCREBのCBPへの結合は競合する。このことは細胞内でcAMP経路がMyb活性と競合的に作用することを示唆している。
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