配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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研究概要 |
1. 「喪失体験者」への心理療法的援助の方法の検討 高齢者で喪失体験のある者(5例)を対象に,心理療法的な援助を行った.そして, (1) 秘密をまもれる話し相手としての役割が大きいこと, (2) 回想法は抑うつ感を低減して,統合性を高めることが可能である.ライフレビューには4つの類型があり,約半数は過去の統合が試みられていない,などの結果が得られた. 2. 「喪失体験者」の心理過程とそれに関連する要因の検討 大学生246名を対象に調査を行い,死別体験の実態を明らかにするとともに,心理過程の検討のため,半構造化面接を実施した.主な結果は以下の通りである. (1) 死別体験は90%の学生が体験しており,死別者との親密度と死別の予期の有無が心理的ショックに関係している. (2) 死別による悲嘆反応としては,大うつ病エピソード,不安障害など15の症状が挙げられる.葬儀が一つのポイントになっておりこれが終わると軽減される傾向がある. (3) 悲嘆に関係する要因としては,予期の有無,生死感,死別の対象,性などが認められる. 3. 「震災による死別体験者」への心理学的援助の検討 震災で死別体験をした5名を対象に,セルフヘルプ・グループをつくりそれを支援した.そして, (1) 同じ体験をしたもの同志が語り合える場では,感情の吐きだしが安心してできる, (2) 参加者に自然に「深い共感と強い絆」ができる, (3) 個人差が大きい, (4) 喪失の悲しみを受け入れるにはかなりの時間が必要である,などが明らかになった. 4. 報告書の刊行:これまでの研究の成果をまとめ,報告書を配布した.
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