研究課題/領域番号 |
08301031
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化人類学(含民族学・民俗学)
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研究機関 | 国立歴史民俗博物館 |
研究代表者 |
篠原 徹 国立歴史民俗博物館, 民族研究部, 教授 (80068915)
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研究分担者 |
関 一敏 九州大学, 大学院・人間環境学研究科, 助教授 (50179321)
清水 昭俊 国立民族博物館, 教授 (30009758)
高木 博志 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (30202146)
岩本 通弥 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (60192506)
小松 和彦 国際日本文化研究センター, 教授 (90111781)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1997年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1996年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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キーワード | 国民国家 / 民俗学 / 民族学 / 植民地 / アイデンティティ / 他民族意識 / 自己認識 / 他者認識 / 日本人 / 千島アイヌ / 在日コリアン / 移民 / 多文化主義民俗学 / 一国民俗学 / 台湾 / コロニアリズム / 表象 / 沖縄 / 日琉同祖論 / 国家 |
研究概要 |
平成8年度から10年度にかけておこなってきた「国民国家形成過程における日本人の自己認識と他者認識-民俗学と民族学を中心に-」の研究は、主として日本の近代初期に出発点をもつ民族学と民俗学を中心にして、日本人としてのアイデンティティと他者としての他(異)民族意識の形成に、この二つの学問がいかなる役割を果たしてきたかを明らかにすることであった。 かつて植民地であった台湾・朝鮮・満州・樺太千島や日本のなかでの周辺的な位置に存在したアイヌや沖縄など、当時とすれば地理的および文化的な周辺にあった文化の系譜や日本的と考えられてきたものとの異質性を明確にすることで日本人とそれ以外との境界線を設定することに民族学や民俗学が大きな役割を果たしてきたことがこの研究で明らかになった。同時に、それは他者としてのそれらの文化と自国の民俗的な文化の深い理解を通じて、民俗学や民族学を担ってきた研究者が、安易に植民地政策や同化政策に与してきたわけではないこともあきらかになった。そして、こうした外部の文化が刺激となって、自国を研究する民俗学が、日本の内部においても文化が系譜や起源や変遷において一律ではなく多元的であり、また時代によってあらたに生成されていくことも明らかになった。 日本における民俗学や民族学(文化人類学)の生成が、近代の日本の国民国家の形成と密接に関係していて、それが現在の二つの学問のありようをある意味で規定している。このふたつの学問の将来は、このふたつの学問の生成過程の深い認識の延長線上にあることはまちがいない。
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