研究課題/領域番号 |
08301032
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本史
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
菅原 憲二 千葉大学, 文学部, 教授 (00162850)
|
研究分担者 |
矢野 達雄 愛媛大学, 法文学部, 教授 (00136300)
冨善 一敏 八潮市立資料館, 嘱託
田島 佳也 神奈川大学短期大学部, 商学科, 教授 (40201610)
飯塚 一幸 佐賀大学, 文化教育学部, 助教授 (50259892)
安藤 正人 国文学研究資料館, 史料館, 教授 (90113422)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
9,200千円 (直接経費: 9,200千円)
1998年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1996年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
|
キーワード | 宇和海 / 網主 / 床屋所 / 床屋無役地 / 村君 / 千鰯 / 角筆文献 / 五分一銀(漁業年貢) / 庄屋所 / 網主・網子関係 / 名望家 / 三等郵便局 / 庄屋無役地 / 五分一銀 / 浦方社会 / 鰯網 / 浦触 / 宇和海地域 / 村方文書の引き継ぎ / 文書の伝存状況の記録 / 庄屋抜地 |
研究概要 |
(1) 宇和海は近世日本の最も有力な鰯漁場の一つである。しかしその宇和海に面した南予の地域社会は特有の地域構造を持っていた。リアス式海岸であるため一つの行政単位である浦方に複数の枝浦を内包させ、複合した地域社会を形成した。その枝浦は中世には在地領主であった村君(むらぎみ)の居浦でもあった。 (2) その地域社会を統合していたのは最も有力な網主である庄屋である。かれは公有である庄屋所に居住し、村政(浦政)に預かった。庄屋所はそれ故近代に買い取らねばならなかった。 (3) 庄屋の特権の一つであった庄屋無役地は、明治前期に村との厳しい対立の中でその一部を私有地ができた場合もあった。その過程にこの地域における自由民権運動があった。 (4) 中世後期に村君であった庄屋や組頭は漁場を領主(宇和島藩)から本網(もとあみ)として保障されていた。しかしそれも網子に対して絶対的な優位なものではなく、地域社会の論理に規制され、その上に網主の利益が成り立っていた。 (5) 近世後期、新田開発などによって網代(あじろ)は荒廃し、漁業収入は低下の一途を辿る。そうした時期の漁業年貢の分析から漁獲品の運送先、販売先を分析した。 (6) 近代にはいると旧庄屋は戸長、村長、郵便局長を歴任し、名望家として地域社会に大きな勢力をもった。しかしその経営は次第に傾斜した。その過程を種々の訴訟事件、子弟の思想遍歴、郵便局経営などの多方面から分析した。 (7) そのほか、文書史料を方言の記録としてみるなどの言語学的に分析した新たな知見も得た。
|