研究課題/領域番号 |
08303001
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済理論
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研究機関 | 一橋大学 (1998) 筑波大学 (1996-1997) |
研究代表者 |
小田切 宏之 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (40114053)
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研究分担者 |
柳川 範之 東京大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (80255588)
松島 斉 東京大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (00209545)
清野 一治 早稲田大学, 政治経済学部, 教授 (00183038)
西村 清彦 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (70164580)
有賀 健 京都大学, 経済研究所, 教授 (60159506)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
14,200千円 (直接経費: 14,200千円)
1998年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1997年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1996年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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キーワード | マークアップ / 価格協調 / 参入阻止 / リミットプライシング / 競争政策 / ダンピング / マークアップ率 / 寡占企業の価格協調 / 価格形成 / ダンピング規制と価格協調 / 利潤率と集中度 |
研究概要 |
価格調整と価格マークアップの決定要因に関して総合的な研究を行った。理論面では、3つの側面から研究を行った。第一に、観察される価格マークアップの水準を決定するものとして、寡占企業の協調行動の結果として捉える場合と、独占企業あるいは寡占企業が潜在的な新規参入企業の参入阻止を考慮して行う場合の価格の両者を統合する分析枠組みを構築した。第二に、企業間の競争緩和のもたらす価格への効果をとりあげ、これを貿易政策、特にダンピング防止策との関係において分析した。価格協調行動への影響を分析した結果、ダンピング課徴金は、国内産業の保護、結果としての国内での競争緩和のみをもたらすとは限らないことが判った。寡占企業による価格決定のもうひとつの特徴は価格硬直性にあるが、理論分析の第3では、消費の異時点代替の強度・方向を鍵とし、価格硬直性を価格コミットメントの一形態として新たな視角からの分析を行った。 実証面では企業の価格設定行動そのものと、他の企業行動との相互連関、更には、政策分析を行った。まず、マークアップ水準について、さまざまなデータを用いて複数の推定値を得たが、大半の企業・産業において、マークアップが1を有意に上回り、日本市場において不完全競争が支配的であることがあきらかになった。次に、不完全競争と短期固定費用が技術進歩率の測定に与える影響を分析し、日本について技術進歩率を再推計した。その結果、1962年から1974年にかけて、従来の測定法は、約3分の1程度、技術進歩率を過小推計していることが判明した。更には、競争政策のもたらす価格設定行動への効果についても分析し、独占禁止法違反の摘発処罰よりも、緩やかな産業の監視監督活動の方がマークアップを下げることに有効であることがしめされた。また価格設定行動の長期的な効果、特に企業の退出・参入への影響についても実証分析をおこなった。
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