研究課題/領域番号 |
08304001
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代数学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
三輪 哲二 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (10027386)
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研究分担者 |
今野 均 広島大学総合科学部, 助教授 (00291477)
尾角 正人 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (70221843)
長谷川 浩司 東北大学, 理学研究科, 講師 (30208483)
白石 潤一 東京大学, 物性研究所, 助手 (20272536)
国場 敦夫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (70211886)
山田 泰彦 神戸大学, 理学部, 助教授 (00202383)
中屋敷 厚 九州大学, 大学院・数理学研究科, 助教授 (10237456)
梁 成吉 筑波大学, 物理学系, 教授 (70201118)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
1998年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1996年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | 可解格子模型 / 頂点作用素 / 自由場表示 / 差分KZ方程式 / 結晶基底 / 格子模型 / GKO構造 / 楕円的量子群 / 可解模型 / ヘッケ環 / Demazure結晶 / Knizhnik-Zamolodchikov方程式 / Kostka多項式 / エネルギー関数 / XXZ模型 / screening作用素 / トロイダル代数 |
研究概要 |
可解格子模型にたいする対称性からのアプローチは本研究の中心的課題であるが、これについては従来解明されていなかった楕円的な模型について、量子群のツイストによる準ホップ代数の表現論を用いて頂点作用素の自由場表示が得られた。 (白石・小竹) さらに、三角関数的な極限にあたる|q|=1の場合の差分KZ方程式について解の積分表示が得られた。 (三輪・今野) 長谷川はルイセナールの差分作用素を可解格子模型の連絡作用素を用いて構成できることを示した。結晶基底の理論は、可解格子模型と組合せ論をつなぐ鍵となるものであるが、これに関しては、非一様パスが、テンソル積表現の結晶基底を与えることが発見された。 (三輪・尾角・国場・山田 泰彦) また、パーフェクトではない結晶基底のパス理論もいくつかの興味ある例を通して構成されている。 (尾角・国場) 松井は、可解ではない模型について、基底状態を表すMatrix Product Stateがクンツ代数の表現と対応することを示した。トロイダル代数は、頂点作用素の対称性を統制する重要な代数であるが、三木はこの代数の構造についてその中に含まれる二つの量子群をつなぐ自己同型を構成した。 場の理論の可解模型は、もう一方の中心的研究テーマであるが、河東は作用素環の手法により、2次元共形場理論のモジュラー不変量の計算法を開発した。2次元の可解模型の手法を弦理論や4次元のゲージ理論に適用することも重要である。これに関して、中津は戸田格子のタウ関数の断熱極限として、N=2超対称Yang-Mills理論の低エネルギーでのeffective actionが得られることを示した。菅野と梁は質量0のクォークを持つN=2ゲージ理論のツイストで得られる位相的ゲージ理論から、4次元多様体のDonaldson-Witten不変量の一般化を得た。加藤は曲がった時空での量子重力理論としての行列模型の満たすべき条件を解析した。 3年間の研究成果として、 (1) 楕円的な可解格子模型に関する対称性に基づく解法が確立され、 (2) 混合スピン鎖を表現論的に扱うことが可能になった。さらに、 (3) 格子模型と組合せ論の間に新たなつながりが発見された。一方、場の理論においては、 (4) 幾何学的不変量の量子化についての理解が進み、 (5) 作用素環論と共形場理論をつなぐ代数的アプローチが開発された。
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