研究分担者 |
柳田 勉 (柳田 〓) 東京大学, 大学院理学研究科, 教授 (10125677)
吉村 太彦 東北大学, 大学院理学研究科, 教授 (70108447)
梶田 隆章 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (40185773)
鈴木 洋一郎 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (70144425)
丹羽 公雄 名古屋大学, 大学院理学研究科, 教授 (60113445)
山口 晃 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60004470)
中村 健蔵 高エネルギー物理学研究所, 物理研究部, 教授 (10011735)
|
配分額 *注記 |
20,200千円 (直接経費: 20,200千円)
1998年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1997年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1996年度: 7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
|
研究概要 |
ニュートリノ物理学を種々の実験的手段と理論的道具立ての検討を基に,総合的に研究の促進を図ることが本研究の目的であった。研究期間の3年間に以下のような成果が得られた。 研究目的1 [加速器や原子炉を利用した長基線ニュートリノ振動実験の検討] 加速器を用いた長基線ニュートリノ振動実験は.高エネルギー研究機構からニュートリノ・ビームをスーパーカミオカンデに打ち込むK2K実験の準備が進み,ニュートリノ・ビームラインの建設,前置検出器の開発.建設が終了してビームを打ち出す調整の段階に入った。この12ケ月以内に実験が開始される予定である。原子炉より生成される反ニュートリノを1,000トン液体シンチレータ検出器を用いて観測する.ニュートリノ振動実験,KamLANDは,17インチ高性能光電子増倍管の開発が終了して,1300本の増産を開始した。液体シンチレータの開発.プラスチック・シンチレータ容器の開発等が順調に進行し,2001年の実験開始を目指している。 研究目的2 [加速器や原子炉を利用した短基線ニュートリノ振動実験の検討] 名古屋大学と欧州研究機関の共同実験であるCHORUS実験のデータ解析が進行して,v_μ-v_1振動の結果が報告され新たな振動パラメータの制限領域が与えられた。 研究目的3 [大気ニュートリノ異常の実験的、理論的検討] スーパーカミオカンデは,v_e,v_μによって生じた電子,ミュー粒子の天頂角分布の測定から,v_μの飛行距離に依存してミュ一粒子生成数が減少する結果を報告した。これは,v_μ-v_1振動の証拠を示すものであり,タウ・ニュートリノが有限質量を持つことを示す一大発見である。 研究目的4 [太陽ニュートリノ欠損の実験的、理論的検討] スーパーカミオカンデは圧倒的な高統計データを用いて太陽ニュートリノのデータ解析を行い,太陽ニュートリノ欠損問題を解決するニュートリノ振動解に強い制限を与えた。今後は更にデータを蓄積して,v_e-v_μ振動の発見を目指す。 研究期間の3年間、宮古、八幡平、大船渡で毎年80人規模の研究集会を開き、研究成果の報告、議論、研究方針の検討を行い研究推進を図った。
|