研究課題/領域番号 |
08304043
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
矢原 徹一 九州大学, 理学部, 教授 (90158048)
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研究分担者 |
小林 一三 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (30126057)
小野里 坦 信州大学, 理学部, 教授 (60273067)
寺地 徹 京都産業大学, 工学部, 助教授 (90202192)
佐々木 顕 九州大学, 理学部, 助教授 (90211937)
巌佐 庸 九州大学, 理学部, 教授 (70176535)
嶋田 正和 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教授 (40178950)
牧 雅之 福岡教育大学, 教育学部, 助教授 (60263985)
菊沢 喜八郎 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (50271599)
粕谷 英一 九州大学, 理学部, 助教授 (00161050)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
22,200千円 (直接経費: 22,200千円)
1998年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1997年度: 7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
1996年度: 7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
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キーワード | 有性生殖 / 無性生殖 / 利己的遺伝子 / 組み換え / 耐病性 / 共進化 / ゲノムコンフリクト / 資源分野 / トレードオフ / 病原体 / ゲノミックインプリンティング / 性表現 / 資源分配モデル / ウイルス / 挿入変異 / ゲノム間コンフリクト |
研究概要 |
有性生殖が病原体の早い進化速度に対抗する機能を持つという「赤の女王仮説」の検証を試みた。ヒヨドリバナには有性生殖型と無性生殖型があり、無性型ではジェミニウイルス感染頻度が顕著に高かった。ジェミニウイルスのホストレンジ決定因子の配列を有性ホスト集団と無性ホスト集団で比較したところ、前者ではアミノ酸置換が有意に多かった。これらの結果は「赤の女王仮説」を支持した。 「赤の女王仮説」が成り立つ前提となるホストの防御遺伝子と病原体の感染力遺伝子の特異的相互作用をモデル化し、防御遺伝子・感染力遺伝子の著しい遺伝的多型が頻度依存淘汰によって維持されることを示した。 制限修飾系がバクテリアゲノムへの一種の寄生者であることを明らかにし、相同組み換えが制限修飾系への対抗手段であるという仮説を発展させた。この説はさらに、減数分裂組み換えの起源を説明できる可能性がある。 有性生殖のもとでは、メンデル遺伝子が常態ではあるが、核遺伝子と核外遺伝子の間には伝達をめぐるコンフリクトがあることがわかってきた。本研究では、垂直感染をする寄生微生物のゲノムとホストゲノム、母系遺伝をするミトコンドリアゲノムと核ゲノムの関係をゲノム間コンフリクトとしてとらえ、前者における性比異常系、後者における細胞質雄性不稔系の動態をマメゾウムシ・ハマダイコンにおいて調べた。 また、同じゲノム内でも胎児の成長因子などでは発現量をめぐるコンフリクトがあり、このためゲノム刷り込み現象が進化する条件があることを示し、ゲノム刷り込みの機構についても具体的に解析した。 ユニークな発見として、ドジョウでは2倍体の単為発生集団が稀に精子を受け入れて3倍体となり、3倍体になると減数分裂によって1倍体の精子を生産し、有性生殖に戻ることが判明した。
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