研究分担者 |
古川 明徳 九州大学, 工学部, 教授 (30112410)
黒川 淳一 横浜国立大学, 工学部, 教授 (40017976)
塚本 寛 九州工業大学, 工学部, 教授 (50117305)
田中 正人 東京大学, 工学部, 教授 (10011131)
菊山 功嗣 名古屋大学, 工学部, 教授 (90023192)
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配分額 *注記 |
9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
1998年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1996年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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研究概要 |
[大阪大学班]4枚羽根の不等翼弦長インデューサに生じるキャビテーションの実験および理論解析を行い,翼の不等化が旋回キャビテーションに与える影響を調べた.その結果,翼の前縁を翼1枚毎に交互に切除することにより,旋回キャビテーションの発生が抑制されることが明らかになった.一方,コンプレッサ用遠心羽根車の歳差運動に関する実験および数値解析から,歳差運動角速度比が負のO付近で歳差運動に対して励振的な非定常流体力が生じることがわかった. [東京大学班]スクイズフィルムダンパ軸受に往復動荷重をかけ,軸受中心を振動の中心としてダンパ軸を直線的に振動させる実験を行い,得られた実験結果を理論解析結果と比較した.その結果,偏心率振幅が約0.4以下において,油膜反力を偏心率によって変化しない減衰係数と付加質量で表すことができること,流体慣性力も考慮した理論値によって油膜の減衰係数と付加質量をおよそ予測することができることがわかった. [横浜国立大学班]遠心送風機の出口に設置された半径比の大きな平行壁ベーンレスディフューザ内の非定常圧力変動および速度変動をそれぞれ圧力変換器と熱線流速計により測定した.その結果,羽根車出口の周方向から測った流れ角が2゚〜26゚の範囲で,小流れ角領域では失速セル1,大流れ角領域でセル数2の旋回失速の発生が確認された.その特徴は流れ角に依存して脈動周波数が大きく変化すること,2つの異なるセル数による脈動が共存する領域があることなどであり,ディフューザの入口形状によって,辻本らの提案したポテンシャル理論解析法により予測されていた旋回流の回転方向とは逆向きに伝播するセル数1の旋回失速現象が発生することが確認された. [名古屋大学班]キャビテーション発生時における揚程の減少機構を解明するため,キャビテーション未発生時および発生時の遠心ポンプ羽根車出口流れの計測をLDVを用いて行い,キャビテーション係数とすべり係数との関係を明らかにした. [九州工業大学班]動静翼干渉に基づく変動流体力の実験と平行して、非定常円形翼列理論により円心羽根車と案内羽根の相対運動に基づくポテンシャル干渉、羽根車の粘性後流と案内羽根との干渉、そして各々が流体力に与える影響を理論的に解明し、計算結果を測定結果と比較し、流体反力の予測法を確立した. [九州大学班]ターボ形遠心ポンプの用途拡大と作動流体の多種化に伴って気液二相流時に生じる不安定現象は解明すべき今日的課題となっている.本研究では遠心ポンプに焦点を当て,まず,通常設計による羽根車における気液二相特性を内部流動様相と関連付けて明らかにし,気液二相流入時の不安定性の要因について実験的考察を加えた.そのうえで羽根に加わる変動流体力を見積もり,運転上の問題点について探究するとともに,気液二相時の揚水性能改善と不安定性抑制のための好適な羽根車形状について提案した.
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