研究課題/領域番号 |
08305013
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
土木材料・力学一般
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研究機関 | 立命館大学 (1997-1998) 京都大学 (1996) |
研究代表者 |
児島 孝之 (1997-1998) 立命館大学, 理工学部, 教授 (10066706)
藤井 学 (1996) 京都大学, 工学研究科, 教授 (30031074)
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研究分担者 |
井上 晋 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (30168447)
小林 和夫 大阪工業大学, 工学部, 教授 (10021586)
服部 篤史 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30243067)
宮川 豊章 (宮川 豊幸) 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80093318)
高木 宣章 立命館大学, 理工学部, 助教授 (50154753)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
18,700千円 (直接経費: 18,700千円)
1998年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
1997年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1996年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
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キーワード | 鉄筋腐食 / アルカリ骨材反応 / コンクリート構造物 / 震災対策 / せん断補強 / 連続繊維シート |
研究概要 |
本研究は、コンクリートの中性化あるいは塩化物イオンによる鉄筋腐食、またはコンクリートのアルカリ骨材反応による膨張によって、種々のレベルの損傷を受けたコンクリート構造物の耐荷性能について、阪神・淡路大震災における被害例および実験と解析から検討し、各種工法によるコンクリート構造物の耐震補強あるいはグレードアップの効果を明らかにすることを目的としている。本年度に得られた結果を以下に示す。 (1) デサリネーションをPCはり部材に適用しても、水素脆化に起因するPC鋼材の破断などの脆性的な破壊は観察されず、無処理の供試体と同等な耐荷力や変形性能が得られた。しかし、通電処理による水素脆化を受けなくても、腐食環境にあるPC鋼材は遅れ破壊の危険性があることが確認された。 (2) アルカリ骨材反応により劣化したコンクリート部材は、一方向単調曲げ載荷では、膨張による強度低下より膨張拘束によるケミカルプレストレスの影響が支配的であり、せん断耐力は健全なはり部材より増加する。しかし、正負交番曲げ載荷では、繰返し変位が小さい場合はケミカルプレストレスの効果により斜めひび割れの進展が抑制されるものの、変位が5δy以上になると斜めひび割れが急激に進展して、健全なはりより少ない変位でせん断破壊する。このように、アルカリ骨材反応によりひび割れを有するコンクリート構造物が地震のような正負交番繰返し載荷を受ける場合には、大変形時でのコンクリートの負担せん断耐力が低下するので注意が必要である。 (3) アルカリ骨材反応により劣化したコンクリート部材の疲労破壊は、主鉄筋の破断型からコンクリート圧潰型や定着破壊型などの疲労破壊へ移行する。アルカリ骨材反応による損傷が進行すると、コンクリート部材の疲労強度は低下する可能性がある。 (4) 鋼板巻き立て工法により耐震補強した鉄筋コンクリート橋脚の力学的挙動を、鋼板付着要素を使用した2次元有限要素法を用いて表現することができた。本解析方法は、補強材やその付着特注を個別にモデル化しているために、各部の補強効果を個別に検討することができ、複合構造や鋼板補強などの解析に有効な手法となる。
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