研究分担者 |
陸 旻皎 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (80240406)
松山 洋 東京都立大学, 理学部, 助手 (50264586)
増田 耕一 東京都立大学, 理学部, 助教授 (30181647)
住 明正 東京大学, 気候システム研究センター, 教授 (10179294)
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研究概要 |
本研究では全球の地表層水分データセット作成の可能性を検討することとした.モデルによる全球地表水分量データの作成では,各種土壌植生大気輸送スキーム(SVATS)を1次元オフラインで用いて,共通の入力データで水分量を計算し,共通のインデックスを定義して相互比較するという方針が決まり,入力データとしてはISLSCP Initiativeデータセットを用い,対象を1987,88の2年間することとした.また本研究分担者が所属する東京大学気候システム研究センター(CCSR)が相互比較センター(ICC)として計算結果の編纂と相互比較を担当した.参加モデルの数は10におよび,日本の気象庁,CCSRをはじめ,米国大気海洋庁環境数値予報センター,米国宇宙航空局ゴッダード宇宙飛行研究所,COLA,コロラド州立大学,アリゾナ大学,フランス気象局など,世界の主要な機関が参加している.解析の結果,同じ入力データを用いたにも関わらず土壌湿潤度指標の時空間分布はモデルによって大きく異なっていることがわかった.検証については小池はマイクロ波放射計を用いた地表土壌水分と積雪量の推定法を提案し,ユーラシア域についての両データセットを作成した.裸地でマイクロ波放射計による表層土壌水分インデックスとモデルによる表層5cmの土壌水分量の出力結果を比較したところ,モデルでの飽和領域までは一対一対応を示していた.松山は,モデルによる表層水分の算定値の検証のために,面的代表性の高い地域での土壌水分実測データ,大気-流域水収支法による流域貯留量、日本の山地流域における短期水収支法による土壌水分量をそれぞれ算定した.その結果,GSWPの算定結果は季節変化の対応は良いが、検証データの精度や時間空間スケールの点で定量的検証には解決せねばならない問題がまだまだあることが示された.
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