研究課題/領域番号 |
08305042
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
資源開発工学
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
芝田 準次 (芝田 隼次) 関西大学, 工学部, 教授 (70067742)
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研究分担者 |
若松 貴英 名城大学, 都市情報学部, 教授 (50025897)
新苗 正和 京都大学, 工学部, 助手 (50228128)
佐野 誠 関西大学, 工学部, 助手 (00170811)
山本 秀樹 関西大学, 工学部, 助教授 (30174808)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | 溶媒抽出法 / 微粒体 / 機能性 / 物性評価 / 晶析 / 微粉体 |
研究概要 |
私達は金属塩、金属酸化物、金属微粉体を安価で多量に調製できる方法の一つとして、溶媒抽出法の逆抽出工程を利用することを発想して、すでにこの反応について検討を行ってきた。異なる金属を含有する2種以上の有機相を混合して任意の組成の金属含有有機相とした後に、晶析反応を適用すれば2成分および3成分系の任意の組成をもつ複合微粉体材料を調製することが可能となる。 抽出剤にバーサチック酸および酸性リン酸エステル(D2EHPA)を用いて、Co,Ag,Ni,Cu,Zn,Fe,Smの抽出とシュウ酸および炭酸ガスによる晶析剥離について検討した。シュウ酸による晶析剥離は、その金属塩の溶解度が極めて低いために、いずれの金属についても5分以内の反応時間で定量的に晶析反応が起こる。CuとZn、SmとCo、Fe(II)とNiのような2成分の金属を含む有機相を対象として、シュウ酸による晶析剥離を適用すると、より高いpHで抽出される金属、すなわち抽出剤と金属イオンとの結合性の弱い金属から順に低いシュウ酸濃度で晶析現象が起こる。有機相中の全金属濃度に見合ったシュウ酸濃度を用いると、2成分のシュウ酸塩混合物が得られる。ZnとCuとNiの3成分を含む有機相に晶析剥離を適用すると、有機相中の全金属濃度に見合ったシュウ酸濃度ですべての金属が同時にシュウ酸塩混合物として晶析する。それぞれの金属シュウ酸塩の粒子の大きさは同一ではなく、Znのシュウ酸塩は平均径で5μm,Niのそれは2.5μmであった。このために、2成分系および3成分系に晶析反応を適用するとき、それぞれのシュウ酸塩は粒子径の違いのために均一な混合物にならない。金属シュウ酸塩の熱分解反応は300〜400℃の温度で起こり、空気中での熱分解では金属酸化物粉に水素中で熱分解では金属粉に変換される。Ag-Niの2成分系に炭酸ガスを用いる晶析反応を適用して、これらの複合炭酸塩が得られることを確かめた。
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