研究概要 |
(1)在宅痴呆性老人の住生活問題に関する文献調査及び各分野の痴呆性老人問題の関係者・研究者に対するヒアリングを行い,従来の研究や取り組み,研究課題等を把握した(1996〜97年度)。 (2)以前に行った在宅ぼけ老人に関するアンケート調査の結果を再整理し,新たに次のような点を明らかにした(1996〜97年度)。(1)失禁・徘徊・火災危険などに対する工夫,介護者の生活を守る工夫などの様々な工夫を全体的・系統的に整理した。また,住まいや住み方の工夫の効果を全体的・系統的に整理した。(2)介護苦労と生活空間の関係,痴呆性老人の問題行動(生活行動)との関係を解明した。また,痴呆性老人の行動をより多面的・科学的に理解し,優しく介護するための方法を,住まいの視点から検討した。(3)転居・増改築などの住まいの変化などの生活環境の変化が痴呆の進行や空間認知に及ぼす影響についてについて検討した。(4)住まいや住み方の工夫をアクセシビリテイの確保やバリアフリーという視点から検討した。 (3)痴呆性老人のグループホームについて行ったケーススタディの結果を再整理し,以下の点を具体的に明らかにした(1997年度)。(1)グループホーム入居者の生活は地域とどのようなつながりがあるか,そのつながりを促進している生活空間的要因にはどのようなものがあるのか。(2)グループホーム入居後に痴呆性老人の生活行動能力の向上があったかどうか,その際,生活空間の使い方とはどんな関係があるのか。(3)グループホームにおける住まいや住み方の工夫の実態 (4)痴呆性老人をかかえる家庭を家庭訪問してケーススタディを行った結果を再整理し,生活環境の変化が痴呆性老人と介護者(家族)の生活状況に及ぼす影響について検討した。なお,この中では,阪神・淡路大震災の被災者の家庭における影響についても検討している。(1997年度)。
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