研究概要 |
現在は,異地点の教室間を通信回線で結び,協同学習を行えるようになった。日本の場合は,児童数30名程度で行われる一斉授業を基盤におき,異文化の交流を通して創造力の育成を目的にする遠隔教育を考える必要がある。そのために必要な機器のシステム化(CCV教育システム)と教育内容の開発を行った。CCV教育システムは,市販のTV会議システムを教育用に改良したもので,通常の教室の明るさで80インチスクリーンに精彩に投影できるプロジェクタ,音声を収録するための天井マイク,3台のTVカメラ,書画台カメラ,タッチパネル式の児童を写すためプリセットカメラ,パソコンTV会議システム等によって,システム化された。教育内容では,算数の「ケント紙で作ろう(立体)」,「北風と亀(速さ)」,「位置の学習」,「問題作り(文字式)」,「置物づくり(曲面)」,「刺繍画を作ろう(曲線)」が開発された。1996年4月より山形大学教育学部附属小学校と山梨大学教育学部附属小学校とをINSネット1500とINSネット64で結び遠隔協同学習実験を開始した。実験では以下のことが確認できた。 (1)新たに開発されたプロジェクタは,鮮明度,色彩,動きの表現などの点火ら,30人程度のクラスの協同学習に十分に役立つ。 (2)協同学習は,児童の創造力の育成と,クラスの創造的活動に大変役立つ。 (3)協同学習に馴染みにくいと予想される数学で大きな成果を得た。これから,他教科での大きな成果も予想される。 (4)協同学習の教育内容は,総合教育に大変役立つと考えられる。むしろ,交信授業を中心にすると,社会や国語,図工,算数の総合教育にならざをえない。
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