研究分担者 |
金藤 浩司 統計数理研究所, 調査実験解析系, 助手 (40233902)
西田 信男 広島女子大学, 生活科学部, 教授 (20084155)
瀬戸 信也 広島県保健環境センター, 大気環境部, 主任研究員
新田 裕史 国立環境研究所, 地域環境研究グループ, 総合研究官 (40156138)
大瀧 慈 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (20110463)
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研究概要 |
発生源プロフィールにゆらぎを許すときに空気中の粒子状物質の発生源寄与率を推定できる新しい方法を開発した。従来の研究では、モデルに含まれている発生源プロフィールを既知の定数として取扱っていた。しかしこの仮定は現実の世界を精密に反映したものとは言い難かった。例えば,タバコのプロフィールは大きな変動をもつと思われる。なぜなら,それはタバコの喫いかたや葉の種類、また気温などに強く影響されるからである。そこで,新たに簡単で役に立つ方法を開発する必要があった。 6種類のデータに実際に今回提案した方法を適用してみた。推定された発生源寄与率は,さまざまな条件のもとでも安定していた。「タバコの煙」の寄与率は、喫煙本数で層別すると、夏には、22.5%,31.7%,45.8%であり,冬には,36.0%,55.6%,70.7%であった。また,推定された変動係数は,0.53%から35.88%となっていて,最大値はタバコの煙,最小値は鉄鋼業による排出であった。 ここで提案した方法は,これまでに提案されていた方法に比べてより少ない仮定で室内および室外の寄与率を推定することができる。新田ら(1994)はすべての粒子状物質の濃度の変動係数が一定という仮定のもとで解析している。しかし,タバコの煙の変動係数は極めて大きくてこの仮定が現実に満たされているとは言い難いと思われた。
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