研究課題/領域番号 |
08308039
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
発生生物学
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
八杉 貞雄 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70011591)
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研究分担者 |
武田 洋幸 名古屋大学, 理学部, 助教授 (80179647)
西田 宏記 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (60192689)
浅島 誠 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (00090564)
塩川 光一郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20037295)
白井 浩子 岡山大学, 理学部, 助教授 (50090478)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
26,400千円 (直接経費: 26,400千円)
1998年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1997年度: 9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
1996年度: 10,600千円 (直接経費: 10,600千円)
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キーワード | 形成中心 / オーガナイザー / 比較発生学 / 分子発生学 / 胚葉形成 / 形態形成 / 脊索動物 / 棘皮動物 / オ-ガナイザー / 分子生物学 |
研究概要 |
本研究の目的は、動物の胚発生において体軸の決定や大きな体制の構築に必須である形成中心の分子的機構を、主として後口動物について比較発生学的見地から解明することである.形成中心は、各動物群(棘皮動物、原索動物、脊椎動物)に固有の分子的作用を持つが、一方で進化的制約の元にあり、従って機能的にも構造的にも相同の部分があることが明らかになった.3年間の主要な成果は以下の通りである. 1 ヒトデの形成中心について、植物極に局在する原腸決定因子をもつ細胞とその細胞質の検出法方が確立された。これは、ホヤやツメガエルではすでに確立されているが、棘皮動物でも同様のことが可能であることが示されたことによって、棘皮動物形成中心の分子的基盤の研究は飛躍的に進歩すると思われる.棘皮動物についてはさらに、原腸形成の機構に関わる外腸胚形成ペプチド結合蛋白質の遺伝子的解析が一気に進展した。また、ウニ胚の形成中心というべき小割球に特異的に発現する遺伝子としてホメオボックスもつものが単離され、他の動物群の形成中心で発現するホメオボックス遺伝子との比較がなされた。 2 ホヤに関しては、中胚葉のパターニングの全貌がほぼ解明された.すなわち、分化した間充織細胞を特異的に認識する抗体などの作成により、間充織細胞の分化の自律性の検討と決定因子の同定がなされ、初期胚後方の中胚葉組織である間充織は決定因子と細胞間相互作用によって分化することが明瞭に示された.このことは、モザイク的発生をするホヤにも形成中心的領域が存在することを明らかにするものである. 3 従来魚類と両生類では、形成中心の考え方にかなりの差違があったが、本研究班の研究から、多くの点で共通の遺伝子が働いていることが示された.とくに魚類では形成中心を誘導する領域として卵黄のシンシチウム細胞の重要性が巧みな実験発生学的研究によって明らかにされ、同時にこの領域からの作用で形成中心が働く遺伝子カスケードも相当解析された. 4 鳥類と哺乳類では従来からノードの形成中心としての作用が注目されていたが、ニワトリについてはこの領域からの胚葉形成後の領域化の機構が主として内胚葉に関して解析された.また哺乳類の脊索の機能・形成の制御機構が、主としてT/t complex突然変異体を用いて研究された.これら高等脊椎動物の形成中心と、これまでに述べた動物群のそれとの比較発生学的研究の基礎が築かれた.
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